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『Destiny』真樹の空白の12年と祐希はつながっている? 謎と偶然が大渋滞した第2話

武井保之ライター, 編集者
テレビ朝日『Destiny』公式サイトより

20年の時をかけるサスペンス・ラブストーリー『Destiny』(テレビ朝日系)。第1話はストーリーの本筋よりも、大学時代を演じたメインキャスト陣の大学生っぽく見えない違和感が話題になっていた。

(関連記事:石原さとみ『Destiny』大学キャンパスの30代集団の違和感 ベタなインパクトは後へつながるフリか

第2話でも奏(石原さとみ)と同棲する貴志(安藤政信)が大学時代にキャンパスで出会うシーンがあったが、前回での慣れがあるのか、第1話ほどのインパクトはなかった気がする。

一方、第2話は後半からいくつもの謎の破片が一気に押し寄せては絡み合う、怒涛の展開になった。

より謎が深まったカオリの事故の真相

まずは、第1話の最大の謎であるカオリ(田中みな実)の事故の真相。事故のあと当事者の真樹(亀梨和也)は、遠くから奏に言葉をかけて姿を消すが、奏には聞こえていなかった。

第2話で、カオリの13回忌の日に、12年ぶりに真樹に偶然再会した奏は、行方をくらましたことを非難し、思いの丈をぶつけたあと、「あの日最後に私になんて言ったの? カオリに何があったの?」と問いただす。

しかし真樹は「あれはすごいよ。ほんと、すごいと思う」。会話は噛み合わず、謎を深めたまま真樹は再び姿を消す。事故の謎は明らかにならなかった。

第1話のラストでケガを負った真樹は、医師である貴志の病院に偶然搬送されるが、第2話ではすぐに病院から姿を消す。しかし、真樹を偶然担当した貴志は、精密検査から彼の体の異常を見つける。真樹が抱える体の問題という新たな謎がひとつ加わった。

複雑なつながりが次々と明らかに

一方、検事として働く奏が担当した事件の容疑者の弁護士を、真樹の父・浩一郎(仲村トオル)が偶然務めることになる。浩一郎は、物語のもうひとつの大きな謎である、汚職事件の検事だった奏の父・英介(佐々木蔵之介)の20年前の死の真相に関わっている。

カオリが事故死する直前、カオリから奏の父の死について聞いた真樹は、12年ぶりに父・浩一郎の前に現れると、奏の父の死について「事実が知りたい。知らないと困る」とカオリとの関わりを匂わせる。さらに「あなたが殺したんじゃないですか?」とド直球で父を問い詰める。

その会話を2人の後ろで偶然、奏は聞いてしまう。

カオリの事故死から12年が経ち、謎の破片がぶつかりあった。

20年前の謎である奏の父の死に真樹の父・浩一郎が関わっており、そこにもうひとつの謎である事故死を遂げたカオリもつながっている。

そして、大学時代の仲間である知美(宮澤エマ)の夫・祐希(矢本悠馬)は、真樹の空白の12年とつながっていることを匂わせるシーンもあった。

また、奏の彼氏である貴志も真樹と彼の病気(ケガ?)を通してつながることになりそうだ。同時に、奏の心が12年ぶりに再会した真樹に揺れていることも、親友の知美からの「ダメだよ。貴志さんがいるんだから」というフリで強調された。

“偶然”のてんこ盛りはミスリードか

都合のよい偶然が重なりに重なって、一気に押し寄せた登場人物のつながりと新たな事実が渋滞を起こしつつ、ふたつの謎が複雑に絡み合っていることが明らかになった。

いろいろな偶然がてんこ盛りだったが、事件と登場人物のさまざまな出会いやつながりのすべてが偶然ではないかもしれない。そうだとすれば、偶然にミスリードした必然であり、物語はこれから緻密かつ奥行きのあるサスペンスに突入していくだろう。

第2話はサスペンスの要素で視聴者を物語に引きつけた。この先は、貴志と真樹の間で揺れる奏のラブストーリーも加わっていきそうだ。ますます目が離せなくなる。

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ライター, 編集者

音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク専門誌などの編集者を経てフリーランスの編集者、ライターとして活動中。映画、テレビ、音楽、お笑い、エンタメビジネスを中心にエンタテインメントシーンのトレンドを取材、分析、執筆する。takeiy@ymail.ne.jp

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