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『Re:リベンジ』既視感だらけの高カロリードラマで異彩を放った錦戸亮

武井保之ライター, 編集者
フジテレビ木曜劇場『Re:リベンジ-欲望の果てに-』公式サイトより

フジテレビ木曜劇場『Re:リベンジ-欲望の果てに-』がスタートした。多くの謎の断片が投げかけられた第1話。赤楚衛二演じる主人公が要所要所でキレまくるカロリー高いベタな設定のドラマのなかで、新任医師を演じる錦戸亮が異彩を放ち、物語の芯となっていた。

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過去と断片と謎が投げかけられ目まぐるしく進んだ第1話

本作は、「巨大病院で巻き起こる権力争いをきっかけに、さまざまな事件が起こり、登場人物たちの“野心”と“復讐心”が入り乱れ、人間の内に秘めた“欲望”がむき出しになっていく」とする、オリジナル脚本のリベンジサスペンス。

第1話では、巨大病院の権力を家族内で争う設定、および主人公の生い立ちと立ち位置が説明されながら、裏で謎の人物が動いて重要人物が亡くなり、次なる新たな展開に突入。

登場人物の過去の断片がところどころ映されながら、現在の親族のいがみ合い、さらに後につながるであろう謎もいくつか投げかけられ、物語は目まぐるしく進んだ。

巨大病院の新プロジェクト理事をめぐって巻き起こる暴力

これから起こるさまざまな事件が複雑に絡み合う物語になっていくようだが、第1話で示された対立構造は単純だ。

巨大病院の会長・天堂皇一郎(笹野高史)の信頼を得る、妻は亡き婿養子の理事長・天堂智信(光石研)を、会長の娘である院長・天堂市子(余貴美子)が追い落とそうと画策し、自身の息子・天堂佑馬(青木柚)を新プロジェクトの理事に据えようとする。

理事長は信念のもと息子・海斗(赤楚衛二)を新プロジェクト理事に就かせようとするが、病で倒れる。一方、院長は息子・佑馬を理事にと会長に推すが、理事長に一任していると袖にされる。すると、何者かによって理事長は殺される。

それまで父に反発していた主人公は、父の死後に真意を知って後悔するが、自身も何者かの襲撃を受ける。大まかな流れでは、ここまでが第1話のストーリーだった。

ドラマの成否を左右するであろう異質なキャラクター

そこで描かれた、病院を舞台にする権力構造や、憎しみ合う家族の設定、主人公の父への反発と嫌悪など、いろいろな要素に既視感があり、主人公が何かと激昂するキャラクター設定も含めて、カロリーが高いベタなサスペンスを思わせた。

一方、気になったのが新任医師の大友郁弥(錦戸亮)。第1話ではすべてが謎のままだったが、コテコテな登場人物たちのなかで、ひとりだけ温度感の低い異質な人間性が、うさんくささもある得体の知れない怖さを醸し出し、異彩を放っていた。

錦戸亮といえば、どんな色にも染まる名優だが、本作の謎めいた役柄の佇まいからにじみ出る異質感あふれるオーラは、彼の真骨頂でもあるだろう。彼が演じたからこそ活きたキャラクターであることをひしひしと感じた。

錦戸亮演じる大友がこれからどのような位置づけになっていくのか。それは本作の最大の注目ポイントになるとともに、ドラマの成否を左右する要素になりそうだ。

謎ばかりのなか大きな余韻を残して終わった

第1話の冒頭は、病床で目覚める海斗のシーンからはじまる。それは第1話の衝撃のラストからつながりそうだが、ケガの状況も彼の様相も異なる。いったいどこからつながるのか。大きな謎の余韻を残して第1話は終わった。

そもそも海斗が医大を退学した理由もその後の週刊誌記者になるまでも、はっきりとは語られていない。タイトルにある「リベンジ」は、誰の誰に対するリベンジなのかさえもまだわからない。

わからないことばかりだった第1話だが、ストーリーはリズムよくスピーディに進行することがわかった。第2話が終わる頃には本作から目が離せなくなっていそうだ。

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ライター, 編集者

音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク専門誌などの編集者を経てフリーランスの編集者、ライターとして活動中。映画、テレビ、音楽、お笑い、エンタメビジネスを中心にエンタテインメントシーンのトレンドを取材、分析、執筆する。takeiy@ymail.ne.jp

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