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春ドラマ1話からチェックすべき4本『アンチヒーロー』『Believe』『Destiny』 最注目は…

武井保之ライター, 編集者
TBS日曜劇場『アンチヒーロー』(4月14日より放送)公式サイトより

話題の冬ドラマの余韻も冷めやらぬなか、4月に入り春ドラマが続々とスタートする。今期も注目作が多く並ぶが、第1話からチェックしたい社会派ドラマ4本をピックアップする。

(関連記事:『不適切にも』『つくたべ』よりストーリーに引き込まれた3月ドラマ 知性と恐怖に訴える物語『三体』

まずはTBS日曜劇場『アンチヒーロー』(4月14日より放送)。毎期さまざまなジャンルのドラマが放送される同枠だが、ハズレのない安定したブランドへの信頼は厚い。常に一定のおもしろさのあるドラマを提供し、ときに名作が生まれる。

今期の『アンチヒーロー』は、「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士が主人公。犯罪者である証拠が100%揃っていても無罪を勝ち取る。そんなヒーローとは言い難い、限りなくダークで危険な人物が「正義とは何か」を問いかける。

主演の長谷川博己はどんな姿を見せるのか。裁けない悪に正義の悪を執行するダークヒーローのアイコン、ジョーカーとはまた異なるヒーロー像になりそうだが、ヒース・レジャーをしのぐインパクトを残すことができれば名作になることだろう。

続いて、テレビ朝日開局65周年記念ドラマ『Believeー君にかける橋ー』(4月25日より放送)。大手ゼネコンに所属し、橋づくりに情熱を燃やす設計者が主人公となり、「手に汗握るサスペンスと人間ドラマが織りなす壮大な物語」になる。

何かと話題になる木村拓哉主演ドラマだが、個人的に思うのはこれまでのその多くは脚本がよく、おもしろいドラマだったこと。本作も制作スタッフなどの建付けから、すでに期待が高まっている。

その次は、テレビ朝日火曜ドラマ『Destiny』(4月9日より放送)。主人公は35歳の女性検事。数多くの疑惑に包まれた「大学時代の事件」と対峙したことをきっかけに、20年前の「父の死の真相」、仲間たちの秘密の顔が浮き彫りになっていくサスペンス。

「一見バラバラに見える出来事が、やがて一本の線でつながったとき、物語は思いがけない方向へ突き進んでいく」ストーリーと、3年ぶりの連続ドラマ復帰となる主演の石原さとみに注目したい。

そして最注目は、ディズニープラスの韓国ドラマ『支配種』(4月10日より配信)。多数の死傷者が出た大統領を狙ったテロから数年を経た2025年の韓国が舞台。捜査を進める元軍人と、テロ生存者であり国際的企業の女性CEOの2人を中心に、事件の真相とその裏にある世界を揺るがす秘密に迫っていく壮大なサスペンスドラマ。

主演はチュ・ジフンとハン・ヒョジュの韓国2大トップスター。脚本は名作として名高い『秘密の森』や『グリッド』のイ・スヨン。骨太で硬派な社会派ドラマになりそうだ。韓国ドラマファン層を超えて、幅広く話題になっていきそうな予感がある。

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ライター, 編集者

音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク専門誌などの編集者を経てフリーランスの編集者、ライターとして活動中。映画、テレビ、音楽、お笑い、エンタメビジネスを中心にエンタテインメントシーンのトレンドを取材、分析、執筆する。takeiy@ymail.ne.jp

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