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松村北斗とソン・ガンホの握手に韓国映画ファンが大歓声 釜山国際映画祭レッドカーペットで熱烈歓迎

武井保之ライター, 編集者
釜山国際映画祭レッドカーペットで歓声を浴びた松村北斗 画像提供:BIFF2023

 アジア最大級の映画祭『第28回釜山国際映画祭』が韓国・釜山で10月4日に開幕した。オープニングセレモニーには、韓国スターのほか、日本の招待作品の監督や出演者も出席。韓国の熱烈な映画ファンが集うセレモニー会場で歓迎を受けた。

【写真】松村北斗、岩井俊二監督、アイナ・ジ・エンドのオープニングセレモニーのフォトコール(中段に掲載)

 豪華ゲストがセレモニー会場に入る前のレッドカーペットイベント。日本からの出席者のなかで、ひときわ大きな歓声が上がったのが『キリエのうた』チーム。レッドカーペットの車寄せに入った送迎車のドアが開くとともに、客席スタンドが大きな盛り上がりを見せた。

 そんな沸き上がったレッドカーペットに登場したのは、岩井俊二監督、アイナ・ジ・エンド、松村北斗。岩井俊二監督といえば『リリイ・シュシュのすべて』や『Love Letter』が韓国でも若い世代を惹きつけ、ムーブメントを巻き起こした存在。是枝裕和監督や妻夫木聡、國村隼などとともに韓国の映画ファンなら誰もが知る有名人であり、その作品にも岩井監督自身にも熱い注目が集まっている。

レッドカーペットでアイナ・ジ・エンドと松村北斗の写真を撮る岩井俊二監督(画像提供:BIFF2023)
レッドカーペットでアイナ・ジ・エンドと松村北斗の写真を撮る岩井俊二監督(画像提供:BIFF2023)

 その声援かと思いきや、もうひとつ理由があった。松村が客席スタンドに向かって手をふると、それまで以上の大歓声が響き渡る。オープニングセレモニーのホストを務めた世界的俳優ソン・ガンホから出迎えられ、2人が力強い握手を交わすと大きな拍手が湧き上がった。

 とくに若い世代の韓国の映画ファンは、日本の映画、ドラマもチェックしており、日本人以上に小規模な独立系作品まで詳しい人も多い。そんな人たちが集まる映画祭オープニングセレモニーでの松村への歓声の大きさからは、韓国ですっかり知名度も人気も得ていることがわかる。

 松村といえば、NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(2021年11月〜2022年4月)の雉真稔役の好演がドラマファンの間で高い評価を受けていたばかり。彼の俳優としての力量や存在感に対しての注目度や期待の高さは、国境を超えて韓国にも伝播していることが感じられた瞬間だった。

 10月5日の『キリエのうた』ティーチイン付き公式上映チケットのネット予約は、即完売となっていた。釜山国際映画祭恒例の上映後のティーチインは、観客が監督、出演者に対して、作品の感想や意見、自身の思いを率直にぶつけ合う真剣勝負の場となることでおなじみ。

 そこに気遣いなどの遠慮はなく、ときに辛辣な批評が飛び交い、監督や出演者もそれに対して真摯に応える。そんなやりとりから作品への視点や捉え方、感じ方が深められていくのが、映画ファンの楽しみになっている。

 その場に立つ岩井俊二監督、アイナ・ジ・エンド、松村北斗の3人がどんな応対を見せるか。松村は異国の地で評価にさらされることからなにを得るか。韓国での人気がより高まっていきそうな予感がある。

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ライター, 編集者

音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク専門誌などの編集者を経てフリーランスの編集者、ライターとして活動中。映画、テレビ、音楽、お笑い、エンタメビジネスを中心にエンタテインメントシーンのトレンドを取材、分析、執筆する。takeiy@ymail.ne.jp

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