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なぜバルサはクラシコで敗れたのか?ギュンドアンのアンカーと主力の離脱の影響。

森田泰史スポーツライター
クラシコで敗れたバルサ(写真:ロイター/アフロ)

フラストレーションが、もっと必要だ。

リーガエスパニョーラ第11節、バルセロナは本拠地モンジュイックでレアル・マドリーに敗れた。イルカイ・ギュンドアンのゴールで先制したが、ジュード・ベリンガムに2得点を許して1−2と敗れている。

ベリンガムの決勝ゴール
ベリンガムの決勝ゴール写真:ロイター/アフロ

「こういう試合で負けるために移籍してきたわけではない」

「いま、ロッカールームから出てきたけど、もちろん、みんな、ガッカリしていたよ。でも、これだけ大事な試合で不必要な結果を手にしたんだ。もっと悔しさや失望があっていいはずだ」

「そういった意味で、僕たちは前進しなければいけない。そうでなければ、マドリー、いやジローナにさえ、(順位の上で)追いつけなくなるだろう。僕はベテランの選手として、そういったことの繰り返しを許してはいけない」

試合後、イルカイ・ギュンドアンはそのように語っていた。

■負傷者続出とスタミナ

クラシコの敗戦は痛かった。だがその試合の前からバルセロナには課題があったと考えるべきだろう。

バルセロナは今季、10勝を挙げている。悪くない数字だ。ただし、そのうち、7試合が「最小得失点差」での勝利である。

ベティス戦、アントワープ戦では、5−0で勝利した。その際には、シャビ・エルナンデス監督が「自分が就任してから最高のバルサだ」とコメントした。

チームはうまく機能しているように見えた。しかし、“魔の手“は忍び寄っていた。

(デ・ヨングやペドリがいる時のバルサの可変システム)

バルセロナが機能しなくなった、というより、クラシコでの敗戦が誘発された背景には、負傷者の続出トラブルがあった。

ペドリ・ゴンサレス、フレンキー・デ・ヨング、ロベルト・レヴァンドフスキ、ラフィーニャ、ジュール・クンデらが負傷離脱を強いられていた。レヴァンドフスキ、ラフィーニャはクラシコに間に合ったものの、ベストコンディションではなかった。

彼らの不在自体が打撃だったのはある。加えて、「疲労」というファクターが重くのし掛かった。

疲労の部分は大きい。選手層に厚さがないなか、バルセロナはプレースタイルを変えざるを得なかった。プレッシングのスピードと強度は下がり、ボールを保持しながら休むというのもできなくなった。“即時奪回”を代名詞にしてきたシャビ・バルサだが、疲れていてはその戦術の練度も低くなる。

■中盤の起用に頭を悩ませて

繰り返しになるが、負傷者続出の影響はあった。とりわけ、ペドリ、デ・ヨングの離脱は大きかった。

バルセロナは昨季終了時にセルヒオ・ブスケッツが退団。この夏、ジローナからオリオル・ロメウを獲得したが、チャンピオンズリーグの試合をはじめ、ビッグマッチにおいてバルセロナは中盤で安定感を欠いていた。

シャビ監督はデ・ヨングを一列下げてロメウとダブルボランチにして、左ウィング(ガビ/ジョアン・フェリックス)を内側に入れるという対処を応急処置として行っていた。だがそれもデ・ヨングの離脱で振り出しに戻った。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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