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2026年大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主役・豊臣秀長はどんな人? 歴史ゲーム「信長の野望」の評価は

河村鳴紘サブカル専門ライター
ゲーム「信長の野望・新生」に登場する豊臣秀長

 2026年のNHK大河ドラマは「豊臣兄弟!」となることが発表されました。主人公は、天下人・豊臣秀吉ではなく、弟の豊臣秀長(仲野太賀さん)。歴史好きであれば、秀吉の覇業を支えた人物として知られていますが、普通であれば「よくわからない」という人もいるでしょう。

 秀長は、兄の秀吉が織田信長に仕えてからずっと兄につき従い、出世街道をひた走る秀吉と「秀吉チーム」を陰から支え続けました。会社組織に置き換えると分かりやすいのですが、秀吉が出世すれば、すべての仕事を自分でするのは無理な話で、有能なサポート役は不可欠です。リーダーの意図をくんで的確にフォローし、時にはトップの不在時には、代理としてチームを仕切らなくてはいけません。

 天下統一の覇業を、政権のナンバー・ツーとして支えながらも、自らは目立たずに主君(秀吉)の功績が輝く……という一点だけでも、秀長の能力は並外れたものではないことが分かります。領主としても、寺院が多く統治しづらいと言われた大和(現・奈良県)などの100万石という大領地を巧みに治めました。秀吉の天下統一後に秀長は52歳の若さで亡くなり、重鎮を失った秀吉政権は傾いて、最終的に徳川家に天下を奪われてしまいます。「秀長が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった」という声があるのも、誇張ではないのです。

 とはいえ、言葉だけではイメージしづらい……という人もいるでしょう。そこで、多くの歴史好きに、吟味されてきた歴史ゲーム「信長の野望」シリーズで、豊臣秀長の能力(原則最大値は100で、数字が少ないと低評価)を振り返ってみます。

 シリーズ最新作「信長の野望・新生」では、戦いに関係する「武勇」は60にとどまっていますが、「統率」は80、「知略」は87、「政務」は86と高く設定されています。要するに純粋な戦闘の能力は「そこそこ」ですが、人を束ねる力、内政の評価は高いのです。

 しかし、天下人の覇業を支えた割には「少し地味」と感じるのも確かです。特にシリーズ初期では、内政系の能力も70台といった感じでした。さすがにシリーズを重ねると内政関係の能力が80台に達し、90台の作品もあります。

 ただし歴史ゲームは、本質が「国盗り合戦」のため、戦いの強さが目立つわけでして、逆に言えば、治世の能力が感じづらい一面があります。ゲームの秀吉は、戦闘と内政をいずれも高いレベルでこなせることが多く、万能だけに余計にそうなります。そのため、秀吉を補佐した秀長の能力をゲームで表現するのは大変で、やや割を食うのでは……と推測しています。

 秀長の偉業を分かりやすく説明しているのは、故・堺屋太一さんの小説「豊臣秀長 ある補佐役の生涯」(PHP文庫)でしょうか。元官僚の堺屋さんらしく、秀長の実務能力や調整能力などを巧みに描いています。そしてドラマの放送後、秀長の評価が見直されるのかもしれませんね。

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サブカル専門ライター

ゲームやアニメ、マンガなどのサブカルを中心に約20年メディアで取材。兜倶楽部の決算会見に出席し、各イベントにも足を運び、クリエーターや経営者へのインタビューをこなしつつ、中古ゲーム訴訟や残虐ゲーム問題、果ては企業倒産なども……。2019年6月からフリー、ヤフーオーサーとして活動。2020年5月にヤフーニュース個人の記事を顕彰するMVAを受賞。マンガ大賞選考員。不定期でラジオ出演も。

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