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恋愛相手や配偶者に嘘をついている割合からわかる「恋愛上手は嘘上手」

荒川和久独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター
(写真:イメージマート)

嘘をついたことのない人はいない

「人生において何よりもむずかしいことは、嘘をつかずに生きることだ」

これはドストエフスキーの言葉だが、生まれてから一度も嘘をついたことがないという人間はほぼいないだろう。

では、恋愛関係にあるパートナーや婚姻関係にある配偶者に対して「嘘をついたことがある」のはどれくらいいるだろうか。恋人や配偶者に対しては嘘はつかないと思うだろうか。

実際、20~50代で調べてみたところ、「恋人や配偶者に嘘をついた/ついていることがある」割合は、未婚男性は24%、未婚女性は28%、既婚男性は32%、既婚女性も32%という結果となった。大体7割は嘘をついていないようである。

微差だが、既婚より未婚の方が嘘をつかないように見えてしまうが、未婚男女の中には、一度も恋愛したことのない層が存在するので、その人たちは「恋愛をしたことがないので、そもそも恋愛相手に嘘をついた経験がない」だけの話である。

生まれてから一度も恋愛相手がいたことのない「生涯未恋率」は男女それぞれ何%か?

恋愛経験ありの嘘つき率

よって、恋愛経験ゼロを除いた数で、年代別に集計したものが以下である。

(C)ソロ経済・文化研究所 荒川和久
(C)ソロ経済・文化研究所 荒川和久

男性は、未婚も既婚もそれほどの差はなく、未婚男性のうち「恋愛経験が少ない層」ほど正直者であるとなった。

恋愛人数の多寡で大きく傾向が違うのが女性の方で、しかも「恋愛経験人数が豊富な層」においては、未婚と既婚とでその傾向が正反対であることが興味深い。

つまり、「恋多き」未婚女性は、30-40代がもっとも嘘つきで、「恋多き」既婚女性は20代と50代が嘘つきが多いのだ。特に、20代既婚女性は7割が夫または過去の付き合った相手に嘘をついたことがあるという。

恋とは上手に嘘をつくこと

この調査単独だけで結論づけられるものではないが、20代のうちに結婚する女性ほど恋愛または結婚相手に嘘をついているし、正直に生きる20代女性ほど恋愛はしていても結婚から縁遠くなると考えると、いろいろ感慨深いものがある。

30~40代の既婚女性が嘘をつかなくなるのは、子育てなどで「嘘なんかついている場合じゃない」という現実生活を生きているからだろうか。

いずれにしても、全体の傾向として、男女とも「恋愛経験が豊富なほど嘘をつく」という傾向が顕著である。逆にいえば、「上手に嘘をつける男女が恋愛できる」ということかもしれない。常々、私は「恋愛強者3割の法則」といっているが、この嘘つきの割合もまたほぼ3割である。双方とも3割であることは偶然の一致なのだろうか。

写真:イメージマート

嘘をつくメカニズム

嘘は、本人の虚栄心や見栄の為、もしくは保身のためにつく場合もあるが、そうした嘘だけではなく相手を慮った上での嘘というものもある。

世の中、なんでもかんでも正直に言えばいいってものではない。真実や本音だけを互いに言い合っていたらそれこそ争いになるだろう。相手を傷つけないために嘘をいう場合もある。そうした「優しい嘘」は恋愛に限らず人間関係の継続的な構築において必要な力でもある。

こんな言葉もある。

夫婦というものは、お互いに相手の欠点は見て見ぬふりをして、あまり本当のことは言わず、時には適当に嘘をついて、その嘘がバレても、相手がかえって面白がり、親愛の情を増すようにするのが賢明なやり方でないか(フランス文学者・河盛好蔵)

一方で、自分をよく見せたいと思う嘘も決して悪い事ばかりではない。写真加工アプリで自分の容姿を整えることを「盛る」というが、そうした気持ちがまったくない人間もどうかと思う。「自分をよく見せたい」というのは社会性でもあり、向上心でもあるからだ。

嘘も悪くはない

「嘘からでた真」という言葉もあるが、今の現実の自分より「盛った」自分を自らに課すことで、やがてそのような自分にいつのまにか変貌している場合もある。

根拠のない噂や思い込みであっても、人々がその状況が起こりそうだと考えて行動することで、事実ではなかったはずの状況が本当に実現してしまうことを「予言の自己成就」という。アメリカの社会学者ロバート・K・マートンが提唱したものである。

是非はともかく、さして年収もない若い男が「俺がお前を幸せにしてやる」と根拠のないプロポーズする場合もあるが、そう言い切れる男ほど実は恋愛強者なのだ。

もちろん、中にはいつまでたっても一向に甲斐性のない男もいて、結果的に「騙された」というのもいるが…。

写真:イメージマート

ところで、前出したグラフで気になったのは、50代既婚男性だけ突出して嘘をついている部分だ。しかも、恋愛経験が少ない層の既婚男位である。これは、浮気だろうか。

嘘をつくのであれば、徹底的につき通す覚悟と記憶力が必要である。

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※記事内グラフの無断転載は固くお断りします。

独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター

広告会社において、数多くの企業のマーケティング戦略立案やクリエイティブ実務を担当した後、「ソロ経済・文化研究所」を立ち上げ独立。ソロ社会論および非婚化する独身生活者研究の第一人者としてメディアに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』『結婚滅亡』『ソロエコノミーの襲来』『超ソロ社会』『結婚しない男たち』『「一人で生きる」が当たり前になる社会』などがある。

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