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最多メダル米から見た東京五輪【まとめ】夏冬二刀流選手に、世界記録更新した選手は...

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
(写真:ロイター/アフロ)

8日、東京オリンピックが幕を閉じた。

米オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)の発表によると、今大会には205の国と地域、国際オリンピック委員会(IOC)の難民選手団から、代表選手1万1650人以上が出場した。

メダルを獲得したのは、前回のリオ大会の86の国と地域をさらに上回る、史上最多の94の国と地域からの代表選手団だった。

◆数字で振り返るUSチーム

(USOPC発表)

提供:USOPC
提供:USOPC

アメリカの代表選手数

626人

メダル数(世界最多。96年以来7大会連続)

113個(金39、銀41、銅33)

メダリスト数

257人

  • うち29人が複数のメダルを獲得、7人は複数の金メダルを獲得
  • 団体競技で27のメダルを獲得。女子バスケ(7大会)、男子バスケ(4大会)、女子水球(3大会)の連勝記録を更新

メダリストの男女比(トランスジェンダーの選手含む)

女性アスリート:164人

男性アスリート:93人

メダリストの最年少

17歳

メダリストの最年長

56歳

選手村滞在の平均日数

13日間

大会期間中の新型コロナ陽性者

代表選手および関係者1600人のうち、陽性判定は2人

  • すべてチームUSAに限った人数

◆選手別ハイライト

アリソン・フェリックス選手(陸上)

アリソン・フェリックス選手。
アリソン・フェリックス選手。写真:ロイター/アフロ

2004年のアテネ以来5度目のオリンピックとなったアリソン・フェリックス選手は、今大会で女子4×400mリレーで金メダル、個人400mで銅メダルを獲得。

オリンピックメダル総数は11個(金7、銀3、銅1)となり、カール・ルイス元選手(10個)を抜いて米オリンピック陸上史上もっとも多いメダル数となった。35歳のフェリックス選手は五輪キャリアに幕を閉じることを表明しており、今大会で有終の美を飾った。

シモーン・バイルス選手(体操)

シモーン・バイルス選手.
シモーン・バイルス選手.写真:ロイター/アフロ

リオ大会で4個の金メダルを獲得した体操女子のエース、シモーン・バイルス選手は、今大会でもメダリストとして有力視されていた。しかし過度な期待を背負ったことにより調子が狂い、メンタルヘルスを理由に団体総合決勝(銀メダル)と個人総合決勝を棄権した。後半は立て直し、種目別平均台で銅メダルを獲得し、オリンピックのメダル獲得総数は7個(金4、銀1、銅2)となった。

体操選手としては、シャノン・ミラー元選手と並ぶ、オリンピック史上もっとも多いメダルを持つ選手となった。

エディ・アルバレス選手(野球)

エディ・アルバレス選手。
エディ・アルバレス選手。写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

今大会で侍ジャパンに敗れ銀メダルを獲得したアメリカの野球チーム。中でもエディ・アルバレス内野手は、異色の経歴の持ち主だ。

2014年のソチ冬季五輪で、ショートトラック・スピードスケート男子5000mリレーで銀メダルを獲得しており、夏季と冬季の両大会の二刀流メダリストとして、オリンピック史上6人目(アメリカ人としては3人目)となった。

普段はMLBのマイアミ・マーリンズに所属している。

◆世界記録を塗り替えた選手

ケイレブ・ドレッセル選手(水泳)

ケイレブ・ドレッセル選手。
ケイレブ・ドレッセル選手。写真:ロイター/アフロ

ケイレブ・ドレッセル選手は、今大会で5個の金メダルを獲得した(4×100mメドレーリレー、4×100mフリースタイルリレー、100m自由形、100mバタフライ、50m自由形)。前回のリオ大会と合わせて7個の金メダリストとなった。100mバタフライでは、世界記録を更新した。

シドニー・マクローリン(陸上)

シドニー・マクローリン選手。
シドニー・マクローリン選手。写真:ロイター/アフロ

シドニー・マクローリン選手は、今大会で陸上女子4×400mリレーと400mハードルで2つの金メダルを獲得。400mハードルは、これまでの世界記録を塗り替えた。

そのほか、東京オリンピックで塗り替えられた記録と世界中の選手たち(参考:ニューヨークタイムズ

◆そのほか

  • 惜しくも決勝で日本が負けた女子バスケットボール。アメリカの強さは健在だった。中でも、2004年のアテネ以来、5大会連続で出場しいずれも金メダルを獲得しているスー・バード選手とダイアナ・タウラシ選手は、今大会で5つ目の金メダルを獲得。オリンピックのバスケ選手として、史上もっとも勝利を収めた選手となった。

  • 女子バレーボールはこれまでどうしても金メダルに到達できなかったが、今大会で念願だった初の金メダルを獲得した。

  • サラ・ロブレス選手(重量挙げ)は、リオと東京の2大会で2つのメダル(銅)を獲得した初のアメリカ人女性選手となった。

  • レスリングチームは、1984年以来最多となる9個のメダルを獲得した。

メダルを取った選手、取れなくても最善を尽くした選手・・・。ほかにも、国籍問わず多くの選手が希望と勇気を与えてくれた。

24日から始まる東京パラリンピックでは、さらにどのような感動が待っているだろうか。

オリンピック・パラリンピック競技大会概要 

第32回オリンピック競技大会(2020/東京)

7月23日~8月8日

33競技

東京2020パラリンピック競技大会

8月24日~9月5日

22競技

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(Text by Kasumi Abe) 無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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