菅首相が会見 「宣言」21都道府県に拡大(全文1)全国的にこれまで経験のない感染拡大が継続
菅義偉(よしひで)首相は25日夜、官邸で記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「菅首相が会見 「緊急事態宣言」21都道府県に拡大(2021年8月25日)」に対応しております。 【動画】菅首相が会見 「緊急事態宣言」21都道府県に拡大(2021年8月25日) ◇ ◇
新規感染者数は過去最大の水準を更新
司会:ただ今より菅内閣総理大臣の記者会見を行います。初めに菅総理から発言がございます。それでは総理、よろしくお願いいたします。 菅:先ほど新型コロナ対策本部を開催し、北海道、宮城県、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県、岡山県、広島県に緊急事態宣言を発出するとともに、高知県、佐賀県、長崎県、宮崎県にまん延防止等重点措置を適用し、期間はそれぞれ8月27日から9月12日までとすることを決定いたしました。新規感染者数は過去最大の水準を更新し続けています。特に中部圏などにおいて高い増加を示しています。全国的にほぼ全ての地域でこれまでに経験のない感染拡大が継続をいたしております。保健所の体制や医療提供体制も厳しい状況が続いています。こうした中で、各地域の病床の状況などを踏まえ、対象を追加する判断をいたしました。 先週、私はこうした地域において、医療体制の構築、感染防止、そしてワクチン接種という3つの柱から成る対策を徹底していくと申し上げました。国民の皆さまにご協力いただきながら、この危機をなんとしても乗り越えていく、そうした決意に変わりはありません。感染拡大が急速に広がる中で、多くの方々が不安な気持ちで過ごされていると思います。確実に医療を受けることができるよう、緊急的な医療対策を速やかに進めてまいります。国民の命と暮らしを守るため、必要なことを1つ1つやり遂げてまいります。
自治体の医療強化の取り組みには全面的に支援
医療体制の確保ですが、まず第1に自宅療養者への対策です。自宅で療養されている方は大変心細い気持ちで過ごされていると思います。患者さんが最初に受診した診療所などにおいても健康観察や相談、電話診療などを行っていただける体制を、地域の実情に応じて、医師会の協力も得て、速やかに構築をしてまいります。先日、自宅療養中の妊婦さんが受け入れ病院の調整に困難を来し、赤ちゃんを亡くされるという大変痛ましいことがありました。新型コロナに感染した妊婦に対応できる高度な医療体制についても地域での確保を進め、緊急時でも迅速な搬送を行えるよう、病院、都道府県と消防機関の情報共有と連携の強化を徹底してまいります。 第2に病床の確保であります。一昨日、都内の医療機関に対して最大限の入院患者の受け入れなどについて、感染症法に基づく要請を国と東京都で、共同で行いました。また、今回の緊急事態宣言の発出に当たり、国からそれぞれの都道府県に対し、最大限の病床を確保し、医療体制を速やかに強化するようお願いをいたしました。国としても自治体の医療強化の取り組みには全面的な支援を行ってまいります。 そして国立病院機構においては、新型コロナ対応の病床を東京全体で200床まで拡大し、全国の新型コロナ対策センターとしての役割を果たしてまいります。今回の感染拡大に際し、いわゆる野戦病院をつくるべきだ、こうした多くの指摘をいただいております。病院の空きベッドや、それ以外の施設も活用し、酸素の投与を可能とする緊急の施設はこれまでに全国14カ所に設けられてきました。こうした一時的な療養施設を、宣言地域を中心にさらに増やしてまいります。 第3に新薬による重症化防止です。新たな中和抗体薬はすでに1400の医療機関で1万人に投与され、重症化を防ぐ極めて高い効果が出ているとの声が現場から寄せられております。これまでその対象は入院患者のみとされてきましたが、入院せずとも使うことができるよう、外来で使うことも可能とします。必要な数量はしっかりと確保しております。今後とも50代以上の方や基礎疾患のある方を対象として集中的に使用し、重症化を防いでまいります。 残念ながら子供たちの感染も増えています。9月の新学期を控え、できる限り教育の機会が損なわれることのないよう、子供たちの対策を進めていきます。まず学校での感染が大きく広がることのないようチェックリストの周知を進め、発熱等の症状がある場合は登校しないことなど、基本的な感染対策を徹底してまいります。次に幼稚園、小中学校に約80万回分の検査キットを配布し、早期の発見、対応に努めてまいります。