菅首相が会見 「宣言」21都道府県に拡大(全文1)全国的にこれまで経験のない感染拡大が継続
宣言期限は接種状況、重症者数などを分析し、判断
感染力の強いデルタ株の蔓延によって、感染者を抑え込むことは、これまで以上に容易ではなくなっています。しかしながら現在進めているワクチンの接種はデルタ株に対しても明らかな効果があり、新たな治療薬で広く重症化を防ぐことも可能です。明かりははっきりと見え始めています。9月12日の宣言の期限については、ワクチンの接種状況、重症者の数や病床利用率などを分析し、判断を行ってまいります。その先にはワクチン接種、証明書の積極的な活用の方法を含め、飲食店の利用、旅行、イベントなど、日常生活や社会経済活動の回復もしっかり検討をいたします。全力でこの危機を乗り越えてまいります。国民の皆さんのご理解とご協力をお願い申し上げます。 司会:それでは、これから皆さまよりご質問をいただきます。尾身会長におかれましては所定の位置にお進みください。ご質問の内容によりまして尾身会長にもご説明をいただきます。指名を受けられました方はお近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、社名とお名前を明らかにしていただいた上でご質問をお願いいたします。それではまず幹事社からご質問をいただきます。北海道新聞、佐藤さん、どうぞ。
宣言期限は自民党総裁選などの政治日程を考えたのでは?
北海道新聞:北海道新聞の佐藤です。総理は7月末の会見で、8月末までの間、今回の宣言が最後となるような覚悟で対策を講じると述べましたが、宣言地域は21、まん延防止を含めると33都道府県に拡大し、自宅療養者が重症化する例が連日報告されています。ワクチンに偏った政策や、総理の言葉が国民に届いていないことが原因ではないでしょうか。この指摘にどう答えるか、自らの政治責任をどうお考えか伺います。今回の宣言期限は9月12日に据え置かれました。新しい地域では期間が短く、自民党総裁選などの政治日程を考えたのではないでしょうか。お伺いします。 また、感染抑制には全国への宣言やまん延防止措置の拡大、昨年春のような人出抑制策が必要ではないでしょうか。12日に宣言を解除できるのか、いつになったらわれわれは日常を取り戻せるのか、道筋をお示しください。以上です。 菅:まずデルタ株によって世界中で経験のない感染が広がって、わが国でも一変しております。私としては医療体制の構築を行う、このことを最優先に、感染防止対策、ワクチン接種という3本の柱から成る対策を徹底し、この危機をなんとしても乗り越えていく、それが総理大臣としての私に課せられた責任であると考えます。また、私の言葉について厳しいご指摘をいただいています。しっかり受け止めて真摯に対応してきたい、このように思います。 また、今回の宣言の期限についてでありますけれども、これまでの地域と同様に、医療体制の確保、感染防止、ワクチン接種を柱とする対策を進めるために、それらに必要な期間として9月12日を期限といたしました。また、全国への宣言発出についてであります。これまでもお答えをしてきておりますように、感染状況や医療体制は地域によって大きな差があります。一部の県で皆さんに過剰なものとなってしまう恐れもあります。そうした中で今回の判断を行ったということであります。また、感染防止対策について、政府としても飲食店の時間短縮や大規模商業施設の入場制限を徹底することに加えて、人流抑制のためのテレワークなどを強力に推進をしてきております。効果的な対策を講じていきたいというふうに思います。 また、出口戦略でありますけど、ワクチン接種が進む中にあって、出口に向かってやはり医療体制をしっかり構築して、重症者を減らす対策を徹底するとともに、ワクチン接種というものをさらに推進していく。このように思っています。尾身会長、出口戦略について。