なぜ3か月遅れ開幕の女子ゴルフで新ヒロイン候補が躍動したのか…21歳の田中瑞希が3位、18歳の西郷真央が5位と健闘
ゴルフの国内女子ツアーがようやく無観客で開幕した。コロナ禍で3月の開幕戦から中止が続き、今季初戦となったのは本来は第17戦だった4日間大会の「アース・モンダミンカップ」(千葉・カメリアヒルズCC)。大会は悪天候のため6月28日の最終ラウンドが29日に順延され、渡辺彩香(26、大東建託)が5年ぶりの復活Vでツアー史上2度目の“月曜日決着“を制した。 通算11アンダーで並んだ昨季賞金女王の鈴木愛(26、セールスフォース)とのプレーオフを1ホール目のバーディーで退けた鮮やかな優勝。最大の武器であるドライバーショットが極度の不振に陥り、ここ3年はどん底だっただけに多くの仲間たちからの祝福メッセージがSNS上にあふれた。 ツアー屈指の飛ばし屋の復活に最後は話題を奪われたが、今大会は新たなヒロイン候補が躍動した一週間でもあった。 中でも注目を集めたのが、平均年齢19.7歳の最終組の3人だった。最終日に単独トップに立っていた田中瑞希(フリー)は21歳、3打差2位タイにつけていた古江彩佳(フリー)が20歳、西郷真央(大東建託)は18歳。最終日最終組ではツアー史上最も若いペアリングである。結果、田中が3位、西郷が5位、古江が17位に終わったが、ネット中継だけしかなかった大会を彼女らが沸かせファンを魅了した。 田中は、18番でバーディーパットを外し、通算10アンダーで惜しくもプレーオフに1打足りなかった。 「ショットが曲がって、パットも入らない。しょぼかったですね。最終日もいつもと同じ気持ちだったけど、少し硬かったかな。でも、(最終日に崩れた)去年の選手権を生かして、慌てず、ふわふわせずにできた。最終日はキツかったけど、終わってみたらやっぱり楽しかった」 今大会は新型コロナウイルスの感染を防ぐために、大会関係者の人員は大幅に縮小された。ギャラリーを入場させない無観客で開催され、メディアも入場禁止。そのため取材はオンラインで行われたが、パソコンの画面を通して田中はいつもと同じ人懐っこい笑みを浮かべ、大会を振り返った。