なぜ3か月遅れ開幕の女子ゴルフで新ヒロイン候補が躍動したのか…21歳の田中瑞希が3位、18歳の西郷真央が5位と健闘
千葉・麗沢高を今春卒業したばかりの西郷は2001年生まれの“21世紀世代”である。大きく、きれいな目が印象的だ。尾崎将司が主催する「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」の1期生で、JLPGAの規約改定で高校生も受験可能となった昨年のプロテストに合格して、今回のプロデビュー戦で鮮烈なゴルフを披露した。 オンライン会見では、初めての賞金の使い道を聞かれ、「前々から欲しかったトラックマン(弾道測定機)と、いつも付き添ってくれている母に親孝行したいです」と、18歳らしい答えが返ってきた。 今大会のトップ10には、“黄金世代“からは、3位の田中、5位タイの大里、5位タイの原英莉花らが食い込み、同じく5位タイには、西郷と同じ“21世紀世代”のプロデビューとなった笹生優花がトップと2打差で入った。13位タイの小祝さくらも“黄金世代”で、同じく13位タイの稲見萌寧は一学年下の20歳である。また美人ゴルファーとしてファン人気急上昇の19歳の“ミレニアム世代”安田祐香の注目のデビュー戦は、通算3アンダーの28位に終わったが、約3か月遅れの女子ゴルフツアー開幕戦は、新ヒロイン誕生を予感させる新鮮な風が吹く大会となった。 開幕戦は、通常、実績のある選手が上位にくるが、約3か月遅れのイレギュラーな開幕となったことで調整が難しくなった。渋野の予選落ちが、最たる例だ。逆に自粛期間中に成長、パワーアップしてきた新ヒロイン候補たちが大会を席巻することになったのかもしれない。 昨年10月に史上7人目のアマチュア優勝を飾ってプロ転向した20歳の“ミレニアム世代“古江を含む今回の最終日最終組の平均身長は154.0センチだった。最終日最終組では、2012年「ヨネックスレディス」の馬場ゆかり(148センチ)、笠りつ子(160センチ)、青木瀬令奈(153センチ)の平均身長153.6センチに次ぐ、背の低いペアリングともなった。サイズは、小さくても田中、西郷に共通するのは力強く、力感あふれるスイングだった。 また20歳前後の世代は、まだアマチュア時代の無観客に慣れており、ギャラリーが集まるプロツアーの緊張感と無縁だったことも集中力を保つ上でプラスに作用した可能性もある。 女子ツアーは今後も中止、延期が続いているが、新ヒロインとして誰が飛び出すか、という期待の高まる大会になった。