「はやぶさ2」カプセル回収前にJAXA会見(全文1)14時30分にカプセル分離予定
高度80キロメートルで火球フェーズに
続いて5ページ目の説明が12月6日の予定になってございます。TCM-5をやったあとは探査機自身は高度200から300キロメートル、これはTCM-5の行われた実績によって少し変動があるんですが、そういう軌道を通ります。一番地球に近いときには秒速11.7キロメートルぐらいで、非常に高速でいわゆるスイングバイをするという状態になります。 一方で、カプセルのほうは大気圏突入、これは高度120キロメートルを通過する時刻、前回は分単位でご説明しましたが、今、軌道が正確に決まっていますので、日本時間、2時28分27秒に120キロメートルを通過します。このときの飛行速度は秒速11.6キロメートルです。このあと、カプセルは大気の濃い場所に差し掛かります。火球フェーズというのが高度80キロメートルから40キロメートル、いわゆる大気圏との摩擦でカプセルが発光する時間です。これが2時28分49秒から2時29分25秒の間というふうに想定しています。 ただし、これは現場の天候だとか、あといきなりぱっと光るわけじゃなくて、どんどん熱くなって徐々に発光していくので、その見え具合というのは実はちゃんと正確に肉眼でどう見えるかっていうのは、われわれも見てみなきゃ分からないところがありますので、ただ見える範囲というのは、こういう短い時間ですので、特にオーストラリアの現地にいらっしゃる方はこの時間に注視していただければと思います。 火球フェーズによって、飛行速度は一気に秒速3キロまで落ちます。さらにこの火球フェーズが終わってももしかしたら少し冷えるまで時間が掛かるので、まだ光跡が見えるかもしれません。弾道降下をずっと続けて秒速100メートルぐらいに落ちます。それがだいたい高度10キロメートルで、秒速100メートルっていうともう音速以下になっています。マッハ1以下ですね。
着陸時刻は2時47~57分の予定
2時31分から2時33分の間にヒートシールド分類とパラシュート展開が行われます。これは全部自動です。で、パラシュートフェーズに入ったら、だいたい20分間ぐらい掛けて地上に降下するということになります。着陸時刻は予定では2時47分から2時57分の範囲のどこかであろうと。これは風の状況とかにもよりますので、時間に幅があるということです。 着陸後しばらくしたら、これもカプセルが自動で行うシーケンスですが、パラシュートを切り離します。これは地上に着いたら、もうそこを動いてほしくないので、風が強いとパラシュートと一緒にカプセルが飛んでいっちゃうと困りますので、地上に着陸したあとも実はカプセルは動いています。で、電波を出すと。電波を出して、地上での発見を待つということも実は続けるということになっております。 6ページ目に今の時間関係をまとめた表ですが、これは前回の記者説明会でお出ししたものですが、赤い部分だけ、正確に書き改めております。1つ前のページで申し上げたとおり、秒単位の時刻を記載してございます。もう一度、軌道誤差とか天候等で数秒の誤差はあり得ますので、この辺りはご了承いただければと思います。 探査機側の状況としては以上で、あしたに向けて準備は万端に整っております。カプセル自身は動作確認とかもこれまでやってきておりまして、実は今日ももうカプセルの電源は入れたという状態で健全に動いていることが確認されています。ただし、この電源をバッテリーに切り替えるとか、あとは切り離すところは火薬、火工品を使いますので、これはワンショットです。1回しか、今まで1回も動かしたこと、もちろんありません。こういうものが動くかどうかはこれまでの信頼性設計とか、打ち上げ前の開発状況によりますので、われわれはそこは結果を見ながらアクションをしていくということになっています。人間側のほう、メンバーのほうは正しく動く、あるいは正しいことをやるための訓練は整っておりますので、あした万端の準備で迎えたいと思っています。私からの説明は以上になります。 吉川:では続きましてカプセル回収の準備状況についてです。資料は7ページになりますが、ここはウーメラからお話ししてもらおうと思います。ウーメラの藤本副所長、お願いできますでしょうか。