余った処方薬 使用期限と処分の方法は?…下水に流すのはダメ
教えて!ヨミドック
病気や健康の疑問に、読売新聞の医療サイトのキャラクター、ヨミドックが答えます。今回のテーマは、「余った処方薬」です。 【図表】うつ病にならないためにやめておきたい七つのこと
Q 熱で処方してもらった薬を友達にあげちゃう。 ヨミドック 待ってください。他人にむやみに処方薬を渡してしまうと法律に違反し、罰則が科される恐れがあります。思わぬ副作用が強く出る可能性もあります。
Q また熱が出たら使おう。 ヨ 発熱の原因はウイルスや細菌など様々で、同じ薬がまた効くとは限りません。ウイルスが原因の場合、細菌を攻撃する抗菌薬を服用しても効果はありません。逆に体内の細菌に抗菌薬に対する耐性ができて、細菌が原因の病気になった時に、治りにくくなる恐れもあります。 また、使用期限を過ぎた薬は、本来の効果を期待できません。期限内でも、直射日光が当たる場所で保管すると、劣化することがあります。錠剤やカプセルは半年から1年、点眼や点鼻薬は使い始めから1か月程度が期限の目安です。変色や変形していれば、処分した方がよいでしょう。 Q 捨てるには? ヨ 薬を下水に流すと環境に悪影響を与える心配があります。ゴミとして各自治体の分別方法に従って処分しましょう。自治体から具体的な処分方法が示されていなければ、錠剤やカプセルは、包装や容器から出して袋に包んで可燃ゴミへ。目薬やドリンク剤などの液剤は新聞紙などに含ませて可燃ゴミに捨てましょう。スプレーや噴霧剤は、ガス抜きをして不燃ゴミに捨てるとよいでしょう。市販薬も同様です。
Q 覚えていられるかな。 ヨ 麻薬成分が含まれている薬もあるので、どんな薬かわからなかったり、処分方法に迷ったりしたら、薬局に持って行きましょう。 Q もったいない。 ヨ 薬が余る原因を考えてみましょう。飲み忘れがちなら、飲む時間をアラームで知らせてくれるスマートフォンのアプリや、薬を入れられるポケット付きのカレンダーが便利です。 薬が大きくて飲み込みにくい場合は、薬の種類によって口の中で溶けるタイプや小さいものに変えることができます。仕事の都合などで決められた時間帯に服用するのが難しければ、服薬回数を減らすことを考えましょう。いずれも医師や薬剤師に相談してください。(小山内裕貴/取材協力=大谷寿一・日本医薬品情報学会理事長、大道寺香澄・くすりの適正使用協議会くすり教育アドバイザー)