「はやぶさ2」カプセル回収前にJAXA会見(全文1)14時30分にカプセル分離予定
リエントリーの運用開始宣言は10時30分
続きまして4ページに、あした以降の動きについてご説明します。4ページが12月5日の動きで、5ページが12月6日の動きになります。あした朝から、っていうか実際は「はやぶさ2」はもう24時間運用しております。海外、NASAのDeep Space Network等も使いまして、24時間トラッキングしています。われわれ管制チームの主要メンバーが集まるのは朝10時半の運用に向けて集まるということで、10時とかそれよりちょっと前からたくさん人が管制室に集まり始めます。 リエントリーの運用開始を宣言するのが10時30分、このJSTっていうのは日本時間のことです。全て日本時間でご説明します。その45分後ですね、11時15分にはカプセルの電源を内部に切り替えます。これは、カプセルは切り離したあと単独飛行しますので、それまでは探査機から電源供給されていたものを、ここで初めて探査機の内部バッテリーに切り替えるという操作を行います。だからここから先は、カプセルは単独で動ける状態になるということですね。12時59分になったら今度は探査機を、カプセルを分離する姿勢に移行します。これがかなり大きい姿勢変更で、普段はやらないような大きい姿勢変更、これは探査機が飛びやすい飛行姿勢というよりは、カプセルが分離されたあと正しい姿勢で大気圏突入するための姿勢に移行させるということです。
14時13分に姿勢変更、最終のカプセル分離姿勢に移行
ただ、これはカプセル分離準備姿勢というふうに書いていまして、最後の姿勢ではありません。まだこの時点では飛行しやすい姿勢とカプセルを分離しやすい姿勢を両立したような姿勢になっています。このあと、14時13分になると、さらに姿勢を10度回して、これは小さな姿勢変更です。これで最終のカプセル分離姿勢に移行します。日本時間の14時30分に今のところ、カプセルを分離する予定でございます。この辺りは当日の運用によっては前後いたしますが、今のところの予定ということで、こういうふうに設定しております。 カプセルが分離したことが確認されたら、ただちに姿勢変更を行います。今度は探査機自身が逃げる、地球重力圏から逃げるための姿勢、軌道制御を行わなければいけないので、それに必要な姿勢に移すためにここもかなり大きな姿勢をもう180度近くぐるっと回すという姿勢変更を行って、日本時間の15時半以降に3回に分けてTCM-5という離脱軌道修正を行います。第1回、第2回、第3回を、30分以上時間を空けながら3回に分けて行うということです。 これが行われたら探査機自身はもう地球に落ちない軌道になりますので、巡航姿勢ですね、探査機が飛行しやすい姿勢に元に戻すということになります。ここまで終わるのがあしたのだから夕方ですね、19時とか20時ぐらいにはそういう状態になっているのではというふうに思っております。このTCM-5をやるというのは豪州の帰還安全責任者、CRSOと呼んでおりますが、この許可を取りながら行います。 というのは、今すでに探査機は放っておくとウーメラに当たる軌道になっています。で、そこでそっとカプセルを切り離すんですね。ですので、探査機もカプセルも放っておけば、すでに着陸区域として設定している区域に行くことに、飛ぶことになりますので、安全が管理されている状態なんですが、そこからTCM-5をやるときにはいったんその軌道を安全区域外にずらして、最後は大気圏外を飛ぶ軌道に移行させますので、そこはそういう安全な状態から1回外していいかというのは、探査機の安全とか、そのときの状況をオーストラリアの安全担当官に説明して、許可をもらってから実行するということになります。 ただし、これはカプセル分離からTCM-5っていうのは、すぐ行わなければいけません。ですので、カプセル分離を確認してから、そのあと許可をもらうのではなくて、許可はあしたの午前の時点での健康状態、探査機の健康状態で許可をもらうということになっています。それから以降はマニュアルに従って、事前の取り決めに従って判断をしていくということになります。