【ABC特集】「“外の世界”を見せてあげたい」重度知的障害の息子の作業所探しに苦闘 介護離職の54歳 続・シングルファーザーのSOS
(父親)「いろんなことを経験させてあげたいですし」「家ではテレビばっかり見てるんですよ」 知的障害があり、自宅にこもりがちな息子。そんなわが子に寄り添うために、介護離職した54歳のシングルファーザー。息子が毎日、打ち込める作業の場と、人との出会いを、見つけたいと思っています。
大阪市に住んでいる牧野利幸さんは54歳。シングルファーザーです。息子の凌也さんには重い知的障害があります。 (凌也さん)「(手を叩く)」 (父・利幸さん)「大きくなるにつれて、(発育が)遅くなってきて。今の段階で、総合的に見ると、2歳ぐらい」
また、凌也さんは、自閉症の傾向もあります。 (父・利幸さん)「自分の気に入った順番っていうんですかね。『これはここ』と本もページが決まっていて、(開いているのは)必ずこのページ。触ると怒りますね」 『自閉症』とは、生まれつきの脳の機能障害です。こだわりが強い、対人関係が苦手、などの特性があります。
(凌也さん)「アー、アー」 自宅の前で、パニックを起こしている凌也さん。 (父・利幸さん)「落ち着きなさい。落ち着いて」 (凌也さん)「ワー、ワー」 「(映像は)家に帰ったら、見れるでしょ?家に入って」 見ていた映像を、途中で中断したときの凌也さんです。熱中していることを遮られたり、強いストレスを感じたりすると、パニックを起こす場合があります。
高校生の頃、凌也さんは、学校を休みがちで、1年近く、不登校になりました。卒業後は“障害者のデイサービス”に通い始めましたが、行ける日もあれば、家から出られない日もあり、利幸さんは、息子に寄り添うため、会社を辞めました。2年前、52歳の時でした。
昼も、夜も、息子に振り回される日々。 (父・利幸さん)「息子が興奮して、収まりがつかない時、こっちも怒ってしまう。怒ると息子が余計に興奮して、また私が怒る。ずっと、負のスパイラルというか・・・」