【ABC特集】800人の村民の医療を1人で支える ”へき地”医療に従事する医師に密着 奈良・下北山村
奈良県の南東に位置する、下北山村。面積の92%が山林という自然に囲まれた村で、いわゆる“へき地”です。それは、交通条件などに恵まれない山間部や離島で「医療の確保が困難な地域」であることを意味しています。下北山村は奈良市から車でおよそ2時間半、最も近い市街地・三重県熊野市からでも40分ほどかかります。 【動画あり】【へき地医療のいま】人口800の村で奮闘する医師 「故郷で健康に暮らしたい」住人の思いに寄り添う【newsおかえり特集】 この村にはたった1つの医療機関「下北山村診療所」があります。所長で村にただ1人の医師・田口浩之先生(31)は、今年4月に県から派遣されました。
先生は単身で下北山村に赴任
奈良県にある”へき地”の診療所は2年ごとに医師が交代する制度になっていて、田口先生は3年ぶり2回目の下北山村勤務になるということです。診察日は、月・火・木・金の週4日。家族は奈良県大和郡山市に住んでいて単身赴任です。
下北山村の高齢化率は47.8%。診療所を訪れる患者の多くがお年寄りです。 (田口先生)「内科の診察からしとこうと思うんですけど、血圧はきょう計りました?」 診療所にやってくる人たちの症状は実にさまざま。そのため、へき地で働く医師には幅広い知識と技術が求められます。
担当は内科でも外科でもなく”なんでもやる”科
田口先生は、奈良県天理市の生まれ。離島やへき地で医療を担う医師を養成する自治医科大学で、医学の基礎を学びました。今年で医師になって8年目。いまは、奈良県立医科大学の総合診療科に籍を置きながら、下北山村診療所を任されています。 (田口先生)「総合診療科は正直言うとなんでも屋さんなんですよ。手術以外のことはほぼなんでもやる科なので、だから内科も見ますし、小児科もやるし、救急もやるし、整形外科もやります」
(先生)「これは?」 (女性患者)「あ~それはちょっと響く」 (先生)「やっぱ腰響く。やっぱりね。ちょっとね、腰のヘルニアになっとるんかもしれませんわ」 午前11時半の受付終了まで、1日平均20人ほどを診察します。 (患者の1人)「やっぱり医療がしっかりしていると安心ですね」 (記者)「先生の人柄は?」 (患者の1人)「いいです。とてもいいです。大好きです」「うれしいよ。先生のところへ来るの。優しくしてもらって」 (子どもの母親)「病院かかるのに1時間、車で1時間走るっていうようなことになってくるので、1分1秒でも早く、自分のことだったら別にいいんですけど、やっぱり子どものことってなると、早く受診したいなとかお薬ほしいなとか」
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