【ABC特集】「“外の世界”を見せてあげたい」重度知的障害の息子の作業所探しに苦闘 介護離職の54歳 続・シングルファーザーのSOS
(藤本副施設長)「(作業所の利用者や職員に)ちょっと見学していいですか?牧野さんです」 (利用者と職員)「(拍手)」 (藤本副施設長)「見ての通り、アルミ缶のリサイクルの仕事です」 まずは、アルミ缶をつぶす作業を見学。凌也さんが手元をのぞき込みます。
目に飛び込んでくる、仕事の道具や働いている人たちの姿。地元の企業から任された作業に取り組んでいて、ロッカーの鍵の部分などを組み立てています。 (父・利幸さん)「(凌也が)もっと小さい時に、シール貼りの作業に行ってたこともありました。数を決めていたら、本人も(作業を)するので」
作業所の別館では、パンやお菓子を焼き上げて、オリジナルの商品を作り販売するまで、一括して行っています。建物の中にある直営店では、できたてホヤホヤの食品を提供しています。 (藤本副施設長)「(食品表示の)シールを貼ったり、商品として仕上げたり、商品を出すためのバザーの準備だったり」
見学の後、凌也さんが作業を体験することになりました。 (藤本副施設長)「牧野さんも(エプロンを)つけてみようかな?」 (凌也さん)「(体ごと避ける)」 (藤本副施設長)「(もう一度)つける?」 (凌也さん)「(藤本さんの手を軽く押す)」 (藤本副施設長)「無しか」「牧野さん、ちょっと一緒にやってみよう、そのままで(エプロンつけなくて)いいよ」 凌也さんが腰を上げました。
アルミ缶を手に取ります。 (藤本副施設長)「こうしたほうがやりやすいかも」「(凌也さんに)右手、左手・・・」 (凌也さん)「(缶をつぶす音)ガシャン」 (藤本副施設長)「お!」 凌也さんが自らアルミ缶を手に取り、作業を進めていきます。
(凌也さん)「(缶をつぶす音)ガシャン)」 (藤本副施設長)「はい、いけー!オッケー!(拍手)」
初めて体験する、アルミ缶をつぶす作業。後ろから、そっと見守る利幸さん。 (父・利幸さん)「どう?作業できそう?」 (凌也さん)「(首をかしげ)・・・」 (藤本副施設長)「できていくようになると思います」 (父・利幸さん)「いろんなことを経験させてあげたいですし」 作業の種類も多く、細やかな支援もある、とうぶ障害者作業所。利幸さんは「息子を通わせたい」と思いました。