【ABC特集】「“外の世界”を見せてあげたい」重度知的障害の息子の作業所探しに苦闘 介護離職の54歳 続・シングルファーザーのSOS
自宅で父親と過ごす時間が、あまりにも長い息子。 (父・利幸さん)「なるべく家から出るように。ひきこもりになってしまうのでね」 凌也さんは週に2日、それぞれ2時間“障害者のデイサービス”を利用しています。しかし利幸さんは、息子が何らかの作業に取り組める、そんな施設を探し求めています。 ――Q.どんなものを見せてあげたい? (父・利幸さん)「“家以外の世界”ですね。作業所なり、生活をするところ。他の人と生活する」 利幸さんは、“作業すること”に力を入れている、障害者の施設に、見学を申し込みました。
(利用者)「おはよう!」 大阪市の隣、堺市にある、とうぶ作業所です。この作業所には、18~80歳まで、知的障害のある人約100人が通っています。
職員のサポートを受けながら週に5日、1日2~5時間程度、作業に取り組みます。また、作業で得た収入は、“給料”(工賃)として、ひとりひとりに支給されます。 (とうぶ障害者作業所 藤本りえ・副施設長)「(作業への参加が)スムーズにいく人もいれば、何年もかかる人もいますし」「誰かと一緒、みんなと一緒に、時間を共にする集団というか」
この作業所では、障害が重い人たちを、積極的に受け入れていて、利用者の約9割に、重度の知的障害があります。
(父・利幸さん)「(職員室に入ろうとする凌也さんに)待って」「おはようございます、牧野です。見学をお願いしました」 牧野凌也さんと、利幸さんが見学に訪れたのは、2023年10月末。凌也さんは、作業所を見学するのは、初めてです。
(藤本副施設長)「はじめまして。遠い所から、ありがとうございます。こんなん(名刺)もらったことあるかな?藤本です、よろしくお願いします」「今、ちょうど、仕事が始まって、みんなが勢いづいている時なので。まずは、見ていただいて」 凌也さんは、大きな音や、人が集まる場所が苦手です。スムーズに、見学ができるかどうか・・・