【ABC特集】「母親に手をあげた」「警察に通報された」家庭崩壊の危機を福祉現場が支えた 国内4万人を超える強度行動障害 受け皿が足りない現実
自分の体を傷つけたり、ものを叩いたり。自閉症や重い知的障害がある人の中で、周りが困ってしまうような“激しい行動”をする人たちがいます。食べ物を床にまく、お皿を投げて割る・・・家族にも手をあげていた22歳の男性。 (施設長)「家庭が崩壊する前に、切り離さなければいけない。外との関係や情報を一切、遮断すると」 男性は、自宅を離れて施設で暮らし始めてから、柔らかい表情を見せるようになりました。なぜ、男性は変わったのでしょうか?福祉の現場に密着しました。
(山直ホーム 叶原生人 施設長)「(入所者は)障害が重くて、どこの施設も受け入れができない方。山直ホームだったら…っていう方」「やはり『(私たちが)なんとかしたい』と」 現在、40のベッドは満床で、さらに120人を超える待機者がいます。そのため山直ホームは、同じ建物の中にショートステイ10床を設け、緊急性の高い人を受け入れています。
(声をかける森 稔主任)「行こうか? 行くで」 22歳のAさん。2022年4月、極めて深刻な事例としてショートステイで受け入れ、今も滞在が続いています。 (森主任)「(靴下は)自分で履いて」 (Aさん)「(手を払い)・・・」 (森主任)「なんでや」
(森主任)「なかなか本人からの言葉がないので、自分の思いを伝えられないしんどさが、すごくあると思うので」 Aさんの部屋の引き戸です。金属がゆがみ、破損しています。 (福井智士 副施設長)「夜間に尿失敗があって、服が濡れてしまったと。ただ、着替えたいけれど『着替えを持ってきて』と言葉で伝えるのが難しいんです。職員を呼ぶ時に扉を叩くというような」