【ABC特集】「助けて、また犯罪に走ってしまう・・・」 罪を犯した障害者を支え続けた夫婦の25日間
大阪府内の障害者入所施設で事件を起こし、逮捕されたものの不起訴で釈放された37歳の男性。知的障害と精神疾患を抱える男性は住まいを失い、ネットカフェで寝泊まりすることになりました。そんな男性が最後に頼ったのは、かつて入居していたグループホームを営む、ある夫婦。支援が難しい「罪を犯した障害者」を手弁当で支えた25日間を追いました。 【動画で見る】【現実】「また悪いことしてしまう・・・」犯罪繰り返す障害者を支えた25日間 逮捕ですべてを失い、たどり着いた先に・・・【#ウラドリ】
■「犯罪に走らんかな・・・」
9月16日、大阪府内のある商店街。大きなビニール袋を二つ、ぶら下げて歩く男性がいました。37歳の森芳樹さん(仮名)。ある夫婦との待ち合わせ場所の喫茶店で席に着くと、開口一番、震える声でこう訴えました。 「中岸さん、助けてや。1人になるとどうしても先のことを考えてしまう。犯罪に走らんかなと思って・・・」
喫茶店で森さんが好きなカレーライスを食べさせ、話を聞くのは府内で障害者グループホーム12施設を運営するNPO法人「ぴあらいふ」の中岸宏隆代表(62)と妻の真実さん(53)です。 (中岸真実さん)「何も食べてないの?」 (森さん)「うん。困ってんねん。ほんまに困ってんねん。どうしよと思って。中岸さんのグループホームに戻りたい、戻りたいよ」 (中岸代表)「本心はうちの所に戻してあげたいねん。でも周りがどう思うか・・・。何とかするからちょっと辛抱してくれへんか」 この日、中岸代表は3日分のネットカフェの代金と衣類を手渡し、別れました。
■「『もう知らない』と突き放すわけにはいかなかった」
森さんが傷害容疑で現行犯逮捕されたのは8月下旬のこと。府内の障害者入所施設で職員とトラブルになり、突き飛ばしてけがを負わせました。施設は強制退去となり、生活保護費は逮捕された時点で支給が停止されました。 警察の留置場で勾留されている間に「次の居場所探し」に向けて準備を進めていたのが、中岸さん夫婦です。森さんはかつて、中岸代表が営む「ぴあらいふ」のグループホームに入居していた時期があり、中岸代表は「『もう知らない』と突き放すわけにはいかなかった」と言います。
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