神戸が2度のVAR判定に泣き延長でACL決勝進出を逃す…三木谷会長は意味深ツイート
メインスタンドで思わず立ち上がり、祈りを込めるように戦況を見守っていたヴィッセル神戸のキャプテン、アンドレス・イニエスタが目の前の手すりに身体を預けながら顔を沈めた。 中東カタールのアルジャノブ・スタジアムのピッチ上では、PKを決めたFWジュニオール・ネグランを中心に、蔚山現代(韓国)の選手たちが歓喜の輪を作っている。延長戦が終了する直前に喫した痛恨の逆転ゴールとともに、アジア制覇を目指した神戸の挑戦が夢半ばで終わりを告げた。 新型コロナウイルスによる長期中断を経て、先月下旬からカタールにおける集中開催の形で再開されたACLは13日に東地区の準決勝1試合が行われ、蔚山が延長戦の末に2-1で神戸を撃破。すでに西地区を勝ち抜いているペルセポリス(イラン)が待つ、19日の決勝進出を決めた。 延長戦でも決着がつかず、PK戦にもつれ込んだ水原三星(韓国)との準々決勝から中2日。神戸を率いる三浦淳寛監督は右足のつけ根を痛めている大黒柱のイニエスタを先発だけでなく、ベンチ入りメンバーからも外して、今大会を無敗で勝ち上がってきた蔚山との大一番に臨んだ。 「アンドレス・イニエスタという選手がいるといないのとでは当然、差があると思います。ただ、非常に残念な結果になりましたけど、一体感のもとに勇敢に戦った選手たちを誇りに思います」 悔しさを押し殺すように、試合後の記者会見で三浦監督は淡々とした口調で120分間におよんだ激闘を振り返った。7日の上海上港(中国)との決勝トーナメント1回戦で負傷交代し、10日の水原戦ではPK戦をにらんで延長後半の途中から強行出場。1番手を託されたPK戦で確実に決めた直後に患部を押さえ、苦痛で表情を歪めたイニエスタの状態は、途中出場すらかなわないほど重症だった。 今シーズンのJ1リーグを振り返れば、イニエスタが先発しなかった場合は2勝6分け3敗の星を残してきた。神戸をけん引する36歳の大黒柱が見守るなかで、準々決勝までの8試合で大会最多の19得点を叩き出してきた蔚山の攻撃陣を、神戸は気迫のこもった守備で封じ込める。