【図解】新型コロナ「第5波」の特徴は? 「第1波」からの流行を振り返る
●東京などの医療ひっ迫と「分科会」提言
感染の急拡大が続く影響で、東京を中心とした都市部の医療が危機的な状況に陥っています。 8月20日の都のモニタリング会議は「40代・50代を中心に、重症患者が急激に増加しており、救急医療や予定手術等の通常医療も含めて医療提供体制は深刻な機能不全に陥っている」と、通常医療や救急医療にも影響が出ていると警告しました。 医療提供体制への負荷は都の指標にも現れています。 全療養者の数は増え続けており、8月25日時点で4万1368人と極めて高い水準です。内訳は入院患者が4154人、宿泊療養者が2019人である一方、自宅療養者は2万5169人、入院・療養等調整中の患者が1万26人。自宅療養中の死亡者も相次いで報告されており、都のモニタリング会議は「深刻な事態」と憂慮しています。 PCR検査などの陽性率は、8月18日時点で24.0%を記録するなど20%超の高い水準が続いています。同月26日のモニタリング会議では、専門家から「陽性率の高さから見ても実際には検査を受けていない人もかなりいるのではないか。全体の数を追えていない可能性も考えなければいけない」ともっと多くの感染者が潜在している恐れが指摘されました。 東京五輪の閉幕から4日後の8月12日、コロナ分科会が提言を発表し、東京の人流を約5割に半減することを提案。クラスター発生例も報告される百貨店の地下食料品売り場やショッピングモールなどの人流減少を求めました。政府はそれを受け、17日に緊急事態宣言を茨城や京都など7府県に追加するのに合わせて、▽混雑した場所などへの外出半減を呼びかけ▽百貨店などの大型商業施設(特にデパ地下など)に入場制限を要請――などの感染防止対策を打ち出しました。 緊急事態宣言の対象地域は27日から北海道や広島など8道県が追加され、計21都道府県まで拡大しました。期限は9月12日までです。 (※)…記事内の新規陽性者数は「JX通信社/FASTALERT」のデータを参照