【図解】新型コロナ「第5波」の特徴は? 「第1波」からの流行を振り返る
●「第2波」と飲食店への時短要請
しかし、新規陽性者は6月下旬に再び100人を超え、7月から8月にかけて第1波を上回る感染のヤマができました。「第2波」です。 接待を伴う飲食店など繁華街での感染例が多く報告され、そこから全国に感染が広がっていったことが政府の新型コロナ対策分科会でも指摘されました。当初は若い世代の感染者が多いのが特徴でしたが、東京など都市部で感染が拡大するにつれて、中高年層へも感染が広がっていきました。感染経路も会食や飲み会が目立つようになりました。 7月22日には、政府が観光支援事業「Go Toトラベル」をスタートさせました。東京では1日の感染者数が200人から300人という高い水準で出ていたこともあり、東京都発着の旅行は当初、対象から除外されていました(10月から追加)。 第2波では緊急事態宣言は発出せず、感染が広がった自治体が酒類を提供する飲食店やカラオケ店への営業時間の短縮要請を行いました。例えば東京都では8月3日から9月15日まで(9月1日からは23区のみ)、午後10時までの時短営業を要請しました。そのほか、夏休みやお盆などに向けて、知事らが「帰省は控えて」と呼びかけました。 感染者数は8月上旬から中旬をピークに減少傾向に入りました。しかし、第1波の終盤のような水準までは下がり切らず、9月に入っても全国の報告者数が500人前後で推移するなど「下げ止まり」状態が続きました。
●「第3波」と2回目の「緊急事態宣言」
感染者は11月上旬から再び全国で増加し始めました。この「第3波」では、より幅広い地域・年代層に感染が広がりました。東京都では、会食や接待を伴う飲食店などが主な感染経路だった第2波とは異なり、家庭内感染の割合が大幅に増えました。年齢層も中高年、特に重症化リスクの高い高齢者の感染が数・比率ともに増加。それにより、重症者が第1波、第2波よりはるかに多くなりました。 11月18日には新規陽性者が全国で初めて2000人を超え、第2波を上回り過去最多に。12月31日には全国で4533人、東京都でも1353人といずれも最多を更新しました。そんな中、GoToトラベルも12月28日に全国で停止することになりました。 第3波では、クリスマスや忘年会、新年会といった年末年始の恒例行事や帰省が感染の急拡大につながったと専門家は指摘しています。年末には各知事や専門家から「帰省は慎重に」呼びかけもなされていました。 実際に年明け早々、新規陽性者数は一気に増えました。東京都では1月7日に2520人を記録。翌8日、9日も2000人を超える感染者が報告されました。全国でも1月8日に7955人と過去最多となりました。 政府は1月8日から2度目となる緊急事態宣言を発出。当初は首都圏の1都3県が対象でしたが、最も多い時には大阪、愛知、福岡など計11都府県まで広がりました。 1回目の緊急事態宣言と異なるのは、感染リスクが高いとされる飲食の機会を感染拡大の“急所”と捉え、飲食店などへの時短要請に絞った対策を取った点です。飲食店には午後8時までの時短営業(酒類提供は午後7時まで)を求めました。 感染者数は徐々に減少し、2月下旬から3月上旬には全国で1日1000人前後で推移するようになりましたが、第2波と同様に下げ止まり、この水準から減ることはありませんでした。 緊急事態宣言は大阪、兵庫、愛知など計6府県が当初期限より前倒しで2月末に解除され、残った東京など首都圏の1都3県も3月21日をもって解除されました。