【図解】新型コロナ「第5波」の特徴は? 「第1波」からの流行を振り返る
新型コロナウイルス感染の「5つ目」の流行のヤマが日本を襲っています。政府や自治体、専門家からは「これまでに経験したことのない感染拡大」との言葉が聞かれます。実際、感染者や重症者の数は8月に入り連日、過去最多を更新しています。日本がこれまでに経験した「感染の波」を振り返りながら、今回の「第5波」の特徴を見てみましょう。 【図解】「緊急事態宣言」21都道府県に拡大 感染防止対策はどうなる?
●そもそも感染の“波”とは?
一般的に、メディアなどでは新規陽性者数が急激に増える感染のヤマを「波」と表現しています。この波は昨年以来、今回を含めて5回あります。 図にはありませんが、最初の波は、全国の1日あたりの新規陽性者の報告数が720人を記録した昨年4月11日をピークとする流行(第1波)で、次は昨年8月7日に1605人を記録した流行(第2波)です。 2021年に入ると、感染のヤマがひときわ大きくなります。1月8日には7955人まで急増。これが「第3波」で、1月7日には東京都の新規報告者数が2520人を記録しました。 そして3月下旬から再び感染拡大したヤマが「第4波」です。この流行では5月8日に全国で7234人の感染者が報告されました。 7月に入るとまた感染が急拡大します。7月31日には全国で1万2342人、東京都でも4058人とそれぞれ過去最多を更新すると、感染の勢いはさらに加速。これが日本が現在直面している「第5波」の流行です。8月20日には全国で2万5871人と過去最多を更新。東京都でも8月13日に過去最多の5773人の感染が報告されています。
●「第1波」と初めての「緊急事態宣言」
国内では昨年1月16日に初の感染者の確認が発表され、2月13日には初の死者が出ました。とりわけ3月下旬から感染者が急増し、3月27日には全国の新規陽性者が初めて100人を超えました。「第1波」です。 当時の安倍晋三首相は4月7日の会見で「医療現場はまさに危機的な状況。もはや時間の猶予はないという決断に至った」と述べ、東京と神奈川、埼玉、千葉の1都3県と大阪、兵庫の2府県、そして福岡の計7都府県を対象に、新型コロナウイルス対策の特別措置法(特措法)に基づく「緊急事態宣言」を発出。対象地域はその後、全国に拡大されました。 この1回目の宣言では、人と人との接触機会を「最低7割、極力8割」削減する目標が掲げられました。幅広い業種に休業要請が出され、生活必需品を取り扱う店を除いて、飲食店やスポーツジム、ライブハウスなどが対象になりました。イベントについても、特に全国的かつ大規模なものは中止や延期などの対応が主催者に求められました。 こうした対策の結果、緊急事態宣言は順次解除され、5月25日、残る東京など首都圏1都3県と北海道の解除をもって、すべての都道府県の緊急事態宣言が終了しました。5月下旬の新規陽性者は全国で50人を下回る水準になっていました。