なぜ来年6月に那須川天心vs武尊のドリームマッチが実現したのか…水面下の極秘会談と会見で飛び散った火花
無敗の那須川天心(23、TARGET/Cygame)とK-1王者の武尊(30、K-1 GYM SAGAMIーONO KREST)が来年6月に対戦することが24日、都内のホテルで発表された。大晦日の対決は流れたが、両選手が共に会見に参加。それぞれが6年越しに実現したドリームマッチへの思いを語った。会場は未定だが東京ドーム、国立競技場などが候補で地上波放送を行う予定。ファイトマネーは日本の格闘技界史上過去最高額となり年明けにもオープンにされるという。会見では武尊が延長無制限の完全決着を求めるなど早くも火花が散った。天心は、この試合を最後にキックを卒業し、ボクシングに転向することになる。
難航した水面下交渉
世紀、ドリーム、ビッグ…形容詞が見つからないほどの待望の試合がついに決まった。 ド派手なスーツに身を包んだ天心は東京ドームホテルの巨大な宴会場に左手を上げて笑顔で入場。対照的に武尊は表情を崩さずダークのスリーピースに赤いネクタイの正装で登場した。 先に武尊が、「昔の格闘技界みたいに団体関係なく強い選手同士がやり合って最高に盛り上がる夢のある舞台にしたい。全ての気持ちを背負って、この試合に必ず勝ちます」と語り、「存在を恨んだ時期もあった。天心選手がいたから僕はここまで格闘家としてやってこれた」と付け加えた。 一方の天心は「僕の最後のけじめとして、この試合を行って勝ってキックボクシングを引退しようと思っている。しっかりと締めたい」との決意を口にした。 2015年に、天心がK-1の会場に現れ「RIZINの大晦日で戦いましょう」と呼びかけたことから始まった6年越しのK-1、RISEの両団体エースの頂上対決は、2020年のRIZIN大晦日大会に今度は、武尊が現れたことで気運が高まり一気に具体化するかと思われた。 だが、天心が「ディズニーとユニバくらい交わらない」と、らしい表現をしたように水面下での交渉は難航した。武尊、天心ともに「RIZIN、RISE、K-1、他の団体全員が、みんなで上がるための試合にならないと意味がない」という部分にこだわり、中立のリングがマストの条件だった。当初は今年6月に東京ドームで対戦する計画が進んでいたが、武尊のケガもあり合意には至っていなかった。12月29日に、さいたまスーパーアリーナに大晦日のRIZINとは別の中立の舞台が用意され、具体的に交渉が進み、10月には、武尊と天心が直接、同席しての極秘交渉まであった。