大阪府・吉村知事が定例会見10月21日(全文4完)道州制の議論は進まないと思う
知事が考える副首都の定義は
日刊工業新聞:ありがとうございます。もう1点。吉村知事が考える副首都の定義についてあらためて教えてください。制度変更して、特区制度になって、名称も大阪都になったからといって、副首都になったと言えるわけではないと思います。具体的に何ができれば副首都と言えるのか教えてください。 吉村:東京は首都ですけども、東京を首都と定める法律もありません。でも首都であることを誰も疑いを持ってないわけですし、それで進んできてるわけです。ですので首都を定める法律すらないというのはまず前提として押さえていただけたらと思います。その上で首都機能をバックアップできるような大都市、これがやっぱり副首都だというふうに思っています。首都に何か大きな問題があったときに、その機能を代替できるようなバックアップできる大都市、これが副首都の機能だと思います。 特に日本の場合は、東西、東京に1極がありますから、まず西の、東の、西日本の1極、西日本の中心都市。そしてアジアに近いですから、アジアに開けた都市という、アジアの中心都市、西日本の中心都市ということを、役割を果たしながら個性的に成長して、そして、インフラとかも当然そうですよ。大都市として成長していって、首都・東京に大きな問題が生じたときにバックアップして、日本を引っ張っていけるような都市、これがまさに副首都だというふうに思っています。 それ以上の細かな話は副首都推進本部でまとめているとおり、定義も含めて、意義も含めてまとめていますので、そっちの資料を見てもらえれば、僕の今、言ったエッセンスの部分を肉付けした部分が入っていますけど、エッセンスの僕はそういうところだというふうに思います。
バックアップ機能の具体像は
日刊工業新聞:省庁の移転に関しては今、何もお考えはないということですけれども、副首都というからにはやっぱりバックアップ機能を具体的にどうしたいというようなお考えがあるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。 吉村:まず省庁移転も、ちょっと思い出してもらったら分かるんですけどね、さっきの道州制の話につながるんですけど、省庁移転しようよって前、声、出たじゃないですか。みんな手挙げたけども、結局じゃあ何が移転しましたかっていったら、全部、霞が関に集中してますでしょう。唯一、消費者庁、これが徳島にいくかって話になりましたけど、結局、全部の移転じゃなくて、確か一部の部分的な移転だったと思います。あとは文化庁の京都ぐらいですか。そういった意味で霞が関の本丸のところの省庁は全然、地域分散にしようって国が言っておきながら、手を挙げたら全然そこにもう回ってこないと。大阪も特許庁どうですかって話、しましたけど回ってこないですよ。でもそれ要は本省じゃないですからね。それがやっぱり今の霞が関の本質です。国会議員の本質です。本気で、じゃあ中央省庁の移転をしようかと、リスク分散しようかって考えている国会議員なんか全然いないですよ、今の国会議員。ものすごい中央集権体制だと思います。 その中でさっき言った道州制なんかできんのかとかね、いろんな課題あるけども、全てが東京に一極集中するっていうのは、今回のコロナでも明らかになったけども、やっぱり僕は日本にとってリスクがあると思います。じゃあその受け皿っていうのをまずつくっていこうよというのが今回、副首都の考え方でもあるし、それは大阪が目指すべきだと思います。大阪がこの都構想が可決し、副首都として府市一体の広域戦略を実行できる非常に強い広域部隊ができて、組織ができて、僕は名称も都にすべきだと思うんですけど、これは府民の皆さんの意見を聞かなきゃ難しいですけど、そういった大阪都というものが、法律では特区とみなされるわけですけど、大阪都というのが今回できれば、その受け皿としても認められるようになってくるんじゃないかと思いますし、働き掛けもやりやすくなるだろうというふうに思います。