大阪府・吉村知事が定例会見10月21日(全文4完)道州制の議論は進まないと思う
都構想と道州制が矛盾するとの指摘はどう思うか
日刊工業新聞:都構想と道州制が矛盾するという指摘に対しては、どうお答えになりますか。 吉村:いや、都構想と道州制というのは必ずしも矛盾するものではないというふうに思います。強いところ、特に広域行政体は一本化していくというのが基本的な考え方なので、道州制においてもやっぱりそういった、それぞれの都道府県の単位という、道州の単位で、本来これは国がやることも道州に持ってきますから、これは国との権力闘争にもなってきます。国が今いろんなことをやっているじゃないですか。それを今度は地方がやることになるわけですから。それは中央の国会議員どう思うの? というのも当然出てくる。だから国防とか外交とかマクロ経済とか、そういった本当に国がやることだけを国がやって、それ以外は、まずは道州がやって、一番大切なのは基礎自治体でやっていくというこの仕組みが僕は分かりやすいと思うんですけど、そこに通ずる理念というのは、やはり広域についてはどんどん一本化していくということだろうと思います。 なので大阪都というのをつくれば、道州制でも東京特別州とか大阪特別州という考え方も当然あるし、そういった考え方じゃなくて関西1つで州というのをつくっても僕はいいと思うし。でもそれはたぶん都構想が成立したあと、絵空事で言うのは自由ですけど、本書いたりね。実行するのは都構想ができても、もう何十年も、ひょっとすれば永久にできないんじゃないかなと、なんか日本の危機が起きない限り。僕はそういうふうに思っていますから。それほど統治機構改革というのは、特にこの民主主義が発達した日本、それからやっぱり変化をあまり日本って求めないところがあると思うので、変化っていうか改革して前へ進めるっていうのはあんまり好まないのかなっていうふうに思うんですけど、でも統治機構改革っていうのは、非常に難しいっていうのは肌で感じてますから、まずはこの大阪の問題というのをきちんと解決して、大阪が成長する形をつくるということをやりたいと思います。その先の道州制については、その先の幕末の志士みたいな政治家が出てくることを期待したいなと思います。でもその政治家はだいぶしんどいと思いますよ、道州制、本気でやろうとしたら。