無敗で皐月賞圧勝のエフフォーリアはダービーも勝てるのか?
中山競馬場で18日に行われた「第81回皐月賞」(G1、芝2000m)は単勝3.7倍の2番人気に支持されていたエフフォーリア(牡3、鹿戸)が3馬身差で圧勝して無傷の4連勝でクラシック1冠目をゲットした。無敗馬の皐月賞Vは3年連続で、22歳の横山武史騎手にとってG1初制覇となった。父の横山典弘騎手も1998年にセイウンスカイで皐月賞を制しており、武邦彦・武豊、福永洋一・福永祐一に続く史上3組目の父子制覇となった。次なる目標は、その父も勝っている日本ダービー(5月30日・東京競馬場)。早くも「2冠間違いなし」の声が聞こえている。
直線で抜け出し2着馬に3馬身差
81回の歴史を誇る皐月賞で2着に3馬身差の圧勝は異例とも言える。問答無用の圧勝劇。横山武は、皐月賞騎乗が初めてとは思えないほど、完璧な手綱さばきでエフフォーリアを勝利に導いた。 17日に降った雨による馬場への影響が勝敗のカギを握るとされていたが予想以上に早く回復した。「重」発表だった第4レースの「3歳未勝利戦」。ブレークアップに騎乗した横山武は、内ラチ添いをピッタリと回って逃げ切っていた。その後は強い日差しと強風によって芝はどんどん乾き、「やや重」へと変わった。皐月賞と同じ舞台の第9レース「鹿野山特別」(4歳以上2勝クラス)の勝ち時計は、2分2秒3だった。ここまで回復すれば、もう馬場は気にしなくて済む。この時点で横山武に勝利の確信があったのかもしれない。 最終的に単勝3.7倍の2番人気でゲートインしたエフフォーリアは、3.3倍で1番人気のダノンザキッドと同じ青帽の4枠だった。ダノンザキッドの川田騎手は、スタートの位置取りを重視する戦略家。スタート直後に第1集団の好位をキープし、右隣のエフフォーリアを馬場の悪い内へ押し込めたようにも見えた。だが、横山武は慌てない。インのポケットで待機。1000m通過が60秒3のややスロー気味で流れる中、ダノンザキッドやレッドベルオーブがムキになって走っているのとは対照的にじっくりと脚をためた。 「型に嵌めないで乗ろうとだけ決めていました。例年よりペースは遅いと思い、迷いなく好位へ。いいポジションにつけられたし、4コーナーでは内の方がスムーズに行けると判断した。良く割ってくれた」 直線の入り口も迷うことなく内をつく。4コーナーを回ったところで逃げたワールドリバイバルと2番手につけたタイトルホルダーの狭い間を叩き割るように抜け出すと、もう独走状態。3馬身差をつけてゴールし、殊勲の鞍上は左手の人さし指を突き上げた。 「最高です。自分のいま持っている技術を出し切り、この馬の能力を発揮すれば勝てると信じていました。次はもっと大きなレース。さらなるプレッシャーもあるでしょうが、僕自身も成長して臨みたい」 横山武は屈託のない笑みを浮かべた。