無敗で皐月賞圧勝のエフフォーリアはダービーも勝てるのか?
一方、1番人気に支持されていたダノンザキッドは恐れていたことが現実となり15着と惨敗した。気負いを抑えるためにあえて3月7日の弥生賞ディープインパクト記念に出走したが、その効果はなかった。パドックから発汗が目立ち、レースでは力んで掛かってしまった。好位につけ、4コーナーからまくり気味に上がって行こうとしたが、4週連続重賞制覇と絶好調の川田騎手をもってしても早々と脱落。ホープフルステークスを勝ち、2歳王者に輝いた舞台でまさかの悪夢を見た。 さて話題は、一昨年のサートゥルナーリア、昨年のコントレイルに続き4戦無敗で日本ダービーへ向かうエフフォーリアの2冠の可能性だ。大きく夢が膨らんだと言っていい。初めての中山コースをあっさりクリア。ダービーの舞台となる東京コースでは2月の共同通信杯を圧勝しているように決め手があり、何よりスケールが大きい。2008年のスクリーンヒーローでのジャパンカップを制して以来のG1勝利となった鹿戸雄一調教師も自信満々だ。 「強いのひと言だ。デビューのころは体質が弱く、休み休みだったが、共同通信杯のあとは反動がなかった。スタートが上手だし競馬が上手。イレ込まないし、流れに乗れるセンスがある。いつも並んでからすばらしい脚を使うので直線は安心して見ていられた」 過去10年、共同通信杯から直行し、皐月賞馬に輝いたケースは4例あり、日本ダービーでの成績は、ゴールドシップ5着、イスラボニータ2着、ドゥラメンテ1着、ディーマジェスティ3着で、2冠馬は、4分の1の確率。鹿戸調教師は2冠に向けて「疲れが残っていると思うので一度、ノーザンファーム天栄へ放牧。ケアしてもらって、いい状態でダービーへ出したい」と話す。だが、「大跳びなので東京のコースは合っていると思う」と、すでに2度走っている東京競馬場との相性の良さを強調していた。 東京芝2400mの条件は、エフフォーリアにとってはむしろプラスだ。距離が延びても全く問題ないエピファネイア産駒。近親にアドマイヤムーン、ヒシアマゾン、スリープレスナイトのG1馬がいて、サンデーサイレンスの4×3という配合は、昨年の牝馬3冠のデアリングタクトに重なる。