なぜ“純白のヒロイン”ソダシは桜花賞を勝てたのか…背景に陣営の計算された準備力…次戦で日本ダービー挑戦の夢プランも
クラシックレースの初戦、第81回桜花賞(G1、1600m芝)が11日、阪神競馬場で行われ、2番人気の注目の“純白のアイドル“ソダシ(牝3、須貝厩舎)が無傷の5連勝で優勝を飾った。白毛馬のクラシック初出走初制覇の金字塔。タイムは1分31秒1の驚異的なコースレコードで、最終的に1番人気に支持されたサトノレイナス(牝3、国枝厩舎)のゴール前の追撃をクビ差で振り切った。ソダシの次走はオークス(5月23日)での牝馬2冠狙いが有力視されるが、日本ダービー(5月30日)挑戦の可能性もあるという。無敗での桜花賞制覇は昨年のデアリングタクトに続き2年連続8頭目。2歳女王の桜花賞制覇は2010年アパパネ以来10頭目となった。
「話題先行…見返してやりたかった」
その名の如く、まばゆいばかりの光を放った。”純白のヒロイン”ソダシが完成度とポテンシャルの高さをまざまざと見せつけ、無傷の5連勝で桜の女王へ。希少な白毛馬がクラシックを制覇するのは日本どころか、世界初の大偉業だ。ゴールの瞬間こそ、大外からルメール騎乗のサトノレイナスに急襲されてヒヤリとしたが、道中は、全く危なげはなく、昨年暮れに制したG1の阪神ジュベナイルフィリーズをおさらいするようなレースとなった。 自身初のクラシック制覇を達成した吉田隼人騎手がこう振り返った。 「いいスタートが切れ、逃げ馬の後ろでじっとして、自分のリズムで走ることができた。手応えに余裕があったので周りを見る余裕もありました」 ロケット気味の好ダッシュを決めると、インの3番手をキープ。前半600m付近で3番人気のメイケイエールが、暴走気味に先頭に躍り出たが、それでペースを乱されるような柔なハートではなかった。絶好の手応えで4コーナーを通過。直線入り口からロングスパートに入り、残り200mで先頭集団を抜け出して先頭に立つと、外から飛び込んできたサトノレイナスをクビ差でしのぎきった。 吉田騎手には、「サトノレイナスが迫って来ているのは見えた。必死だったので勝ったかどうかは分からなかったが、前回よりは体勢有利かなと思った」との手ごたえがあったという。 「最後は1頭になって、目標にされる形になったが、馬を信じてスパートした。白毛で話題が先行し、本当に強いのかと言われていたので見返してやりたいと思った。最後はソダシのおかげです」 昨年12月の阪神ジュベナイルフィリーズでは、ハナ差まで迫りながら、今度は、クビ差。上がり32秒9というタイムを出しながら敗れたルメール騎手は「18番枠、ありがとう。すごくいい競馬をしてくれました。仕方がないね。オークスに行きましょう」と、不運な大外枠を皮肉って敗戦の弁。ライバルに続けて苦杯を舐めさせたソダシは先行自在のレースセンスと勝負運を実証する形になった。 「クラシックは挑戦することさえ難しい。チャンスを生かせて良かった。ソダシとともに成長していきたい」 吉田騎手の表情にも安堵感が浮かんだ。