81歳現役医師の「リアルな食事」。6年間毎日続ける、最強の「野菜スープ」
自身が壮絶な更年期症状に悩んだ経験から、日本における「女性外来」の発展に尽力し、81歳を過ぎた現在も現役の医師として精力的に診療に取り組んでいる天野惠子さん。今回は、天野先生が健康のために実践している食事法や、中高年が健康を保つためのコツについてお話を伺いました。
自身の経験からたどり着いた「体を温めること」の大切さ
――天野先生は、40代から50代にかけて壮絶な更年期を経験されたと伺いました。倦怠感、冷え、関節の痛み、重度の疲労感など、同じような症状に悩まれている方も多いかと思いますが、症状を和らげるためにどのような対策を取られたのでしょうか? 天野惠子先生(以下、天野):私は医者ですから、検査や治療はなんでもやりました。血液やCT検査も、もちろん受けて調べましたけれど、全部正常の範囲。そこで私が下した結論は、「脳の“認知”の問題」なんだということ。 それをよくするためにいろいろ試しましたが、ひとつだけ有効だったのが「お風呂」です。お風呂に入ると、すべてのイヤな症状がとれました。体を温めるという治療法は改めてすごいと実感しましたね。 免疫力が活発に働き、心身ともに健康であるための体温は、36.5℃以上とされています。平熱がこの基準を下回ると、さまざまな病気を引き起こすおそれも。だから生活習慣のなかで体を冷やさないように意識することが大切です。 ――「温活」が重要になってくるのですね。ポイントや取り入れるコツを教えてください。 天野:温めるということが体を活性化してくれる。ポイントは、中程度の温度でじんわりと体を温めるよう心がけること。とくに高齢者は、食欲がなくなったときに、お風呂に入るのがいいですね。単純と言えば単純なのだけど、人間ってそういうもの。 私は朝晩2回必ず15分湯船につかります。朝のお風呂がとくに大切で、しっかり体を温める。夜はおもに1日の汚れを落とすためのものです。病院では低温の乾式サウナ療法を取り入れています。血流アップ、血管機能改善効果が期待できますよ。