81歳現役医師の「リアルな食事」。6年間毎日続ける、最強の「野菜スープ」
「老い」は仕方がない。大切なのは自分のやりたいことをやりきること
――60代、70代以降になると「老い」の問題も出てくると思いますが、楽しく元気に暮らすコツはありますか? 天野:私は59歳のときにサーっと霧が晴れたように更年期を抜けて、そこからハイスピードで活動しだしました。だって、そうはいっても80年か90年しかない人生でしょ。66歳で一線を引退したときに私が思ったのは、「この地球上で見ていないところがいっぱいある!」ということ。 だからとにかく海外旅行に行こうと思って、お正月、5月の連休、夏のお盆に行き始めました。それは楽しかったです。結局のところ、旅行するためのお金を稼ぐために仕事をしているという面もなきにしもあらず。 ただ、70歳、80歳と体力は絶対に落ちます。それから頭の記憶力も絶対に落ちる。視力も聴力も落ちる。いわゆる体力関係のものはどんどん落ちていく。そうなると、自分自身を楽しいなと思わせるのは、自分のやりたいことをやっているときだけです。 ――天野先生は「疲れた」と感じることはあるのでしょうか? 天野:私も75歳くらいから、疲れたな、と思うことは増えました。ところが、仕事などで「そういえばあれを調べとかなきゃ」となると、頭のスイッチがピッと入ります。だから、それがお金になるかならないかは関係なく、ボランティアでニットを手づくりするとかアート教室をやるとか、なんでもいいからやりたいことを見つけることは大切だと思います。
「日本一のお医者さん」になるために走り続ける
――エネルギーにあふれる天野先生ですが、これからの夢はあるのでしょうか? 天野:「女性の健康総合センター」の開所式が24年10月1日にありました。このセンターは、女性の健康や疾患について多面的・包括的な分析を加え、性差医学・医療を推進するために設立されました。センター長の小宮ひろみ氏のスライドを見ながら、「これはスタートだ、これを形にするまでは私の旅は終わらない」と感じましたね。 子どもの頃から私の夢は「日本一のお医者さんになること」。これを達成して、だれもやらなかったことを成し遂げたとき、初めてその夢が叶うのだと思います。
ESSEonline編集部