81歳現役医師の「リアルな食事」。6年間毎日続ける、最強の「野菜スープ」
中高年が健康のために取り入れたいこと
――ほかに、中高年が健康を保つうえで、取り入れた方がいいことはありますか? 天野:「筋トレ」はおすすめですね。筋肉は嘘つかないですよ。どうしても年齢と共に筋肉は落ちてきてしまいますから、もう40歳くらいからは「筋トレ」はやった方がいい! 私は75歳からパーソナルトレーナーによる指導を週に2回90分、定期的にお願いして習慣づけています。 ただ、なかなか自主的に行うのは難しいですから、最近街にたくさんできているワンコインのジムや女性専用の運動施設などを利用するのもいいと思います。エレベーターなどはなるべく使わずに階段を上りましょう。ちなみに、散歩は有酸素運動ですから、それだけでは筋トレにはなりません。
6年間毎日続けている、最強の「野菜スープ」
――食事の面で、続けられていることはありますか? 天野:私の女性外来では、更年期女性に多い微小血管狭心症や高血圧の方が多いのですが、これらは、エストロゲンが枯渇することが原因。それを知っていれば、急に血圧が上がっても「エストロゲンがなくなったせいなんだ」とわかります。 では、どうするかというと、「野菜スープ」がおすすめです。私も6年続けていますよ。この野菜スープは、「減塩」になるんですね。味覚が変わります。高血圧学会も、「1に減塩、2に減塩、3に減塩」と言っています。欧米人は1日5gくらいしか塩を取らないのに対して日本人は10gもとっている。数値を見ても、塩分を控える必要がありますよね。 私が続けている「野菜スープ」は、刻んだ野菜をお鍋に入れて、沸騰したら弱火でコトコト30分煮込むだけ。調味料で味つけはせずに、野菜の甘味とうま味だけ。一度にたくさんつくって冷蔵庫で保存し、2~3日で飲みきるようにしています。 これならとくに手間もかからないので、食事に簡単に取り入れられますよね。この味に慣れると自然に減塩ができるようになる。どこかに不調がある方は、まずは3か月、野菜スープを続けてみてください。