「自分の葬式をイメージして」夢がなく惰性で生きる人生に不安を抱く27歳に、がんを患った50代男性が伝えた真意とは
「将来の夢がありません」と悩む27歳の秀でない秀男さん。 何でもそれなりにできて、いま与えられている仕事も嫌いではない。しかし、このまま適当に仕事を続けて人生を消化していって大丈夫なのか? という不安があるといいます。 そんな男性に50代でがんを患ったコミュニケーションコンサルタントのひきたよしあき氏は、「どんな人間でありたいか。それを考えるのも『夢』」と語ります。 夢がなく、ぼんやりとした不安に苛まれる男性を全力で肯定しながら、ひきた氏が贈った言葉とは? ※本稿はひきた氏の書籍『あなたを全力で肯定する言葉』(辰巳出版)より内容を一部抜粋・編集したものです。本書では、「不寛容な人間です」「モテない男です」「若い子には勝てません」「夢がありません」といったお悩みに、ひきた氏が様々な角度から回答し、自虐の言葉がもたらす悪循環を丁寧にほぐしていきます。読み終えたときには、自分で自分に貼り付けていた「負のレッテル」に気付き、生きづらさを解消する糸口を見つけることができるでしょう。
秀でない秀男さん(27歳)のお悩み
将来の夢がありません。 何をやってもそれなりにこなせるし、与えられた仕事をやることは嫌いじゃないです。 でも、やりたいことがなく、このまま適当に仕事を続けて人生を消化していって大丈夫なのかな? と不安に思うことがあります。 ――秀でない秀男(27歳)
夢のかけらはすぐそばに落ちている
将来に夢がない。適当に仕事をしていれば、苦もなく楽もなく時間を消費できるから、問題がないと言えば、問題がない。しかし、やりがいや生きがいというものがない。「今日も生き切った!」という手応えがない。 秀男さんの不安、私も会社勤めのときに何度となく感じていました。 文豪・芥川龍之介は、自死する直前にこんな言葉を残しています。 「何か僕の将来に対する唯ぼんやりした不安である」 これが原因と決められない、「ぼんやりした不安」としか言いようのない将来への不安です。同じ不安を、あなたも抱えているんじゃないでしょうか。