「噴火警戒レベル」 レベル4が「高齢者等避難」に変更 取るべき行動は変わらず
火山が噴火した際、気象庁が発表する「噴火警戒レベル」。火山の状況や周辺住民らが取るべき行動を示したものですが、12月16日から一部が変更されます。5段階ある噴火警戒レベルのうち、レベル4のキーワードが「避難準備」から「高齢者等避難」になりました。自治体が発表する避難情報を今年5月に見直したことを踏まえたもので、気象庁は「防災対応は従前と変わるものではなく、高齢者等の要配慮者の方々の避難のみならず、避難が長期化することを見据えて避難の準備をしていただくことも重要」だと呼びかけています。 【図表】「レベル4」までに必ず避難 「避難指示」に一本化……新しい警戒レベルとは?
●5段階ある「噴火警戒レベル」
噴火警戒レベルには5段階あります。火山活動の状況に応じて「警戒が必要な範囲(=生命に危険を及ぼす範囲)」と周辺住民や登山者らが「取るべき対応」をそれぞれまとめています。 レベル1のキーワードは「活火山であることに留意」。火山活動は基本的には平穏で、警戒の対象は火口内などに限られます。入山規制なども特に行われません。 レベル2は「火口周辺規制」で、火口周辺への立ち入りが規制されます。レベル1と2までは、周辺住民の居住地域では通常の生活が送れるとしています。 レベル3は「入山規制」。警戒の対象は火口から居住地域近くにまで広がり、登山・入山規制などの対応が取られます。住民は火山活動に注意しながら通常の生活を送ることになります。 警戒の対象が住民の「居住地域」にまで及ぶのが、レベル4と5です。それぞれ「特別警報」として噴火警報(居住地域)が発表されます。 レベル4のキーワードは「高齢者等避難」で、居住地域に大きな被害をもたらす噴火が予想される場合に出されます。もともとは「避難準備」でしたが、12月16日午後1時から変更されました。キーワードが変わっても、自治体や周辺住民らの取るべき対応は変わりません。レベル4が出た居住地域では、高齢者らの事前避難をはじめ、避難の長期化に備えた避難準備が必要となります。 レベル5は「避難」で、居住地域に大きな被害をもたらす噴火が発生した場合、あるいはその可能性が切迫している場合に発表され、危険な居住地域からの避難が求められます。