「噴火警戒レベル」 レベル4が「高齢者等避難」に変更 取るべき行動は変わらず
●48の活火山で警戒レベルを運用
日本には現在111の活火山があります。定義は「概ね過去1万年以内に噴火した火山、及び現在活発な噴気活動のある火山」で、火山噴火予知連絡会が選定します。
その活火山の中で、火山活動を24時間態勢で観測・監視している火山(常時観測火山)が50あり、噴火警戒レベルはそのうち48の火山で運用されています(2021年11月現在)。具体的には、富士山、箱根山、御嶽山、桜島、阿蘇山などです。 この48の活火山では、気象庁と地元自治体との間で、噴火の規模や影響範囲に応じた警戒レベルの設定と、地域の避難計画の策定などの協議が済んでいて、今後、人が住んでいない硫黄島を除く、残る十和田(青森・秋田県境)でも設定を進めていくことになっています。 噴火警戒レベルの引き上げや引き下げの判定基準は各火山ごとに異なり、それぞれの特徴に応じて▽火山ガスの放出量▽地震や火山性微動の回数や時間▽噴火の規模▽噴石や火砕流、溶岩流などの発生規模、などの項目が設けられています。 火山災害で想定される大きな噴石、火砕流などが発生した場合は、避難までの時間的な猶予がほとんどなく、生命への危険性が高いため、政府は事前に火山防災マップなどで噴火警戒レベルに応じた危険な場所や避難場所などを確認することを呼びかけています。
●警戒レベル「1」なら安全なの?
気をつける必要があるのは、噴火警戒レベルが「1」だからといって絶対に安全というわけではないことです。気象庁の火山監視課によると「前兆現象がなくても噴石が飛び出す可能性もある」と警告します。 活火山に登る場合は「レベル1でも火口の中など危険な場所はある。噴火警戒レベルを上げていなくても、火山性微動や地震が増えているケースもある」と注意を呼びかけ、最新の火山の状況は気象庁のホームページ「火山登山者向けの情報提供ページ(全国)」で確認してほしいとしています。
●噴火をいち早く伝える「噴火速報」
噴火に関する似たような情報に「噴火速報」があります。火山が噴火したことを登山者らにいち早く伝えるもので、全国50の常時観測火山が対象です。監視カメラや地震計、空振計などの観測データを活用し、1回目の噴火や、噴火が続く火山でそれ以前を上回る規模の噴火を確認した場合に気象庁が発表します。2014年9月に多くの登山者らが犠牲になった御嶽山噴火を受け、翌年8月から導入されました。