「1時間あたり100ミリ」の雨とは? 雨の強さと記録的短時間大雨情報
「1時間あたり100ミリの雨」という言葉を近年、ニュースなどでよく耳にします。土砂災害や洪水などの災害につながる可能性が高いこうした記録的な大雨は、いまや頻発している感すらあります。気象庁による雨の強さの分類と「記録的短時間大雨情報」「特別警報」といった情報を整理します。 【図表】「レベル4」までに必ず避難 「避難指示」に一本化…新しい警戒レベルとは?
「激しい雨」「猛烈な雨」など5段階で分類
1時間あたり「100ミリ以上の雨」とはどれくらいの雨なのでしょうか。2013(平成25)年7月に143.0ミリの雨量を記録した山口市の消防本部職員は「実際に100ミリ降っていた時かは分からないが、車のワイパーをハイスピードにしても前が見にくい状態で、傘をさしても雨が大粒で傘が破けそうなくらいドンドンと降っていた。側溝からは排水が溢れ出していた」と当時の状況を振り返ります。
そもそも1時間あたりの降水量とは何でしょうか。気象庁のサイトによると、降水量とは「降った雨がどこにも流れ去らずにそのままたまった場合の水の深さ」でミリメートルで表します。1時間あたり100ミリの雨であれば、屋根や道路などのあらゆる場所に雨水が10センチたまるレベルの大雨です。 気象庁は、こうした雨の強さを降水量に応じて「やや強い雨」「強い雨」「激しい雨」「非常に激しい雨」「猛烈な雨」の5段階に分類しています。
◎やや強い雨(1時間に10~20ミリ未満) ザーザーと降る。地面一面に水たまりができる。屋内(木造住宅)では雨の音で話し声が良く聞き取れない。 ◎強い雨(1時間に20~30ミリ未満) どしゃ降り。傘をさしていて濡れる。寝ている人の半分くらいが雨に気づく。車のワイパーを速くしても前が見にくい。 ◎激しい雨(1時間に30~50ミリ未満) バケツをひっくり返したように降る。道路が川のようになる。自動車で高速走行している時、ブレーキなどが効かなくなる「ハイドロプレーニング現象」(※)が起きやすくなる。 ◎非常に激しい雨(1時間に50~80ミリ未満) 滝のように降り、ゴーゴーと降り続く。傘が全く役に立たなくなる。水しぶきで辺りが白っぽくなり、視界が悪くなる。車の運転は危険な状態。 ◎猛烈な雨(1時間に80ミリ以上) 息苦しくなるような圧迫感のある降り方で恐怖を感じる。傘が全く役に立たなくなる。水しぶきで辺りが白っぽくなり、視界が悪くなる。車の運転は危険な状態。 (※)ハイドロプレーニング現象…濡れた道を高速走行した時にタイヤと路面の間に水の膜ができて浮いた状態になり、ハンドルやブレーキが効かなくなる現象。