何が25年ぶりVのオリックスとロッテの明暗を分けたのか…“レジェンド”イチロー氏から届いた祝メッセージとは?
「中継ぎに不安はあったが、中嶋監督は絶対に連投をさせずコンディションを維持させることを心がけてやりくりをし、ストッパーの平野で締められたのが大きい。序盤戦の平野はメジャーからの復帰でボールや調整法に戸惑って結果につながらなかったが適応してくると力を発揮した。中嶋監督も絶対に使えると信頼をしていたのだろう」 加えて、リーグトップの133本塁打、トップタイのチーム打率.247を誇る打線が機能したことも勝因だ。中嶋監督は、130通りの打線を組んだが、外野にコンバートした福田、サードに固定した宗の1、2番コンビに、3番・吉田正、4番・杉本までの打順が固まり、打線が線となってつながり得点力が増した。そこにプラスして中嶋監督が抜擢した紅林などの新戦力の台頭があった。 池田氏は、「中嶋監督の適材適所に人を配置するマネジメント力が見事だった。元々、ポテンシャルのあるチームの力を引き出した。2軍監督だったこともあって若手の潜在能力を把握していたのだろう。またジョーンズのクリーンナップ起用に固執せず、途中から代打要員にした決断が良かったし、福田、宗のポジションを変えたことも打撃に影響を及ぼしたと思う。モヤに続く、もう1枚の外国人を加えることができれば、まだチームのノビシロがある」と、埋もれた戦力を発掘した中嶋監督のマネジメント力に注目した。 その象徴が、社会人出身のプロ6年目で、打率.301、32本、83打点の数字を残した“ラオウ”こと4番の杉本の覚醒だろう。昨年西村監督のシーズン途中の辞任に伴い中嶋監督が2軍監督から監督代行に昇格した際、「一緒にいくぞ」と杉本を1軍に引き上げた。 ファーム取材で杉本の下積み時代を知る池田氏も予想できなかったという。 「もともと長打力だけでなく、バットコントロールの上手かった選手だったが、右方向への打球が増えコンタクト率も高まった。青学の後輩である吉田正のバッティングを近くで見て盗んだものもあるのかもしれない」 社会人を経た杉本と吉田正はドラフト同期だが、青学の先輩と後輩。ここにも、もうひとつの波及効果があり、中嶋監督も「(3番を打つ吉田)正尚の後ろ(4番)が一番難しいことだったが、長打力をつけた杉本が最適な人間だった」と振り返った。