何が25年ぶりVのオリックスとロッテの明暗を分けたのか…“レジェンド”イチロー氏から届いた祝メッセージとは?
「みんなおめでとう。春先から勝つこと、あきらめないことをずっと言い続けてきたけれど、143試合を戦ってこういうことが起こるんだなとビックリしています。(CSの)ファイナルを勝ってシリーズに行ってもう一回喜びましょう」 パリーグ・インサイトの報道によると、公式の優勝会見で、中嶋監督は「2年連続最下位からのスタートで、それをどうにか変えようと、ここまで来た。“何を言ってんだこいつ”と思われたでしょうが、絶対にトップを取ってやろうと思ってやってきた」と、悲願達成を果たした思いを吐露した。 オリックスとロッテの明暗を分けたものは何だったのか。 パ・リーグの野球に詳しい元阪神、ダイエー(現ソフトバンク)、ヤクルトの評論家、池田親興氏は、こう分析した。 「両チームの差は本当に僅差であり、いろんな巡り合わせで勝ち負けがついたのだと思う。今日の試合は両球団の置かれた状況が違いすぎたし、ロッテはプレッシャーでガチガチとなり持ち味を出せずに終戦となった。ただシーズンを振り返れば、山本という球界を代表する絶対的エース、そして宮城という2枚看板を持っていたオリックスと切り札を持てなかったロッテとの差だったのかもしれない。オリックスは山本、宮城でカードの頭を勝てるのだから連敗のリスクなく2勝1敗というペースを作ることができた」 象徴的だったのが、25日のオリックス対楽天とロッテ対ソフトバンクの2試合だ。エースの山本はマー君と投げ合って今季4度目の完封勝利で連勝記録を15に伸ばしロッテにプレッシャーをかけた。 一方のロッテは美馬が2回に7失点KOされ、今季8勝の岩下までつぎ込んだが7-15で大敗した。絶対に負けられない試合を勝てる絶対エースのいるチームと、2桁勝った先発投手が10勝の小島一人しかいなかったチームの差が如実に出た。山本は18勝5敗、206奪三振、防御率1.39の“3冠”。勝率と完封数を加えれば“5冠”達成だ。 池田氏は「山本の球威、変化球、コントロールのすべてがメジャー級。首脳陣に『ゆっくり見ていてください』と告げてマウンドにいくそう。技術に加えて、それほどの自信とメンタルを作り上げた」という。 宮城も13勝4敗、防御率2.51の数字を残した。宮城は優勝会見で「由伸さんからいろんな賞を盗み取っていけたら」と語ったが、チームに模範となるエースがいるのだから、これ以上の選手間コーチはいない。池田氏は「山本が宮城に影響を与え、その2人の相乗効果が投手陣全体に出た。田嶋、山崎福、後半は山崎颯一郎らがプレッシャーを感じることなく、それぞれの役割を果たすことができた」と見ている。 田嶋は8勝8敗、防御率3.58、山崎福は8勝10敗、防御率3.56の数字でチーム防御率3.31もソフトバンクに次いでリーグ2位。また池田氏は、29セーブ、防御率2.30の成績を残したストッパー平野の存在が大きかったと指摘する。