なぜ2位ロッテに51年ぶりの優勝マジック「9」が点灯したのか…過去30年でV例は一度だけも4つの快進撃理由
ロッテが14日、京セラドーム大阪で行われたオリックス戦に6-1で快勝。連勝で首位オリックスにゲーム差「0.5」と詰め寄り、残りゲーム数が3試合違う関係で2位のロッテに51年ぶりとなる優勝マジック「9」が点灯した。ロッテ先発の佐々木朗希(19)は最速158キロを表示したストレートとフォークのコンビネーションで6回を5安打8奪三振の無失点に抑える好投を見せ、オリックスの宮城大弥(20)との高卒プロ2年目の同級生対決に勝利し3勝目をゲットした。過去30年で2位チームがマジックを点灯させたケースは5度あるが、優勝したのは一度だけ。最短で19日にも優勝が決まる心理的な優位さはあるが、ロッテは果たしてトップでゴールテープを切ることができるのか。
「個人としてもチームとしても負けられない試合」
待望のマジック「9」が点灯したその日に、敵地でヒーローインタビューに指名されたのは、プロ初の中6日登板で満点の答えを出した佐々木朗希だった。 「負けられない試合。早い回で野手の皆さんが点を取ってくれたので思い切って投げることができた」 オリックスにもマジック点灯の可能性があった最後の直接対決。リーグトップのチーム打率、本塁打数を誇る首位のオリックスを6回無失点に封じ込めた。ストレートの最速は158キロをマークしたが、要所ではフォークを自在に操った。 立ち上がりに一死から宗に左中間に痛打されたが、岡がダイビングキャッチ。バックに助けられ二死となったが、ここから連打を許し一、二塁のピンチを迎えた。だが、モヤをフォークでセカンドゴロ。 圧巻は5回。一死から福田をフォークで見逃しの三振、続く宗にはボールゾーンに落ちるフォークでスイングアウトに打ち取った。ストライクを取るフォークと空振りを取るフォークを使いわけた。6回、最後の86球目は中川をスイングアウトに仕留めた157キロのストレート。平均で150キロを超えているストレートに加え、フォークを自在に操られると、さすがのオリックス打線も手も足も出ない。 「調子自体あまり良くなかったが早い回で点を取ってもらって思い切って投げることができてよかった」 実直で誠実な青年は、2度、同じフレーズを繰り返した。 打線の援護が、佐々木に余裕を与えた。佐々木とは、高校時代に全日本チームで共に切磋琢磨した同級生の宮城にロッテ打線が襲い掛かる。 1回一死一、二塁からレアードが外角低めに落ちるチェンジアップをバットでうまく拾ってレフト線に先制のタイムリーツーベース。走者を2人残して続くエチェバリアが外角に浮いたストレートを捉えてセンターの左を深々と破り2点を追加した。 さらに2回も二死三塁から中村が同じような低めのゾーンに落としたチェンジアップをバットに乗せてレフト前に運び、3回にも二死三塁から藤岡がライト線にスライダーを引っ張った。