オリックスが4連勝の貯金「10」で首位固め…強さの理由は?
何年もさかのぼらなければ見つからない記録の数々に、右肩上がりで急上昇中の成長曲線が反映されている。貯金が2桁に到達するのも、2位に3ゲーム差をつけてパ・リーグの首位を快走するのも実に7年ぶり。オリックスの快進撃が止まらない。 敵地メットライフドームで3日に行われた西武との14回戦。球界を代表する右腕、山本由伸を擁して先勝した前夜に続いて8-0で快勝したオリックスは、これで4連勝、10カード連続の負け越しなしを達成した。貯金を「10」へと増やし、ロッテに敗れた2位の楽天とのゲーム差を「3」に広げた。
「今まで味わったことのない最高の気分」
7回を散発4安打、無四球とわずか77球で西武打線を零封したヒーローの一人、先発左腕の山崎福也(さちや)が敵地の場内インタビューで思わず笑顔を弾けさせた。 「いままで味わったことのない、最高の気分です」 余力を残したピッチングで手にした今シーズン4勝目だけが、2014年のドラフト1位で明治大から入団した山崎を最高の気分にさせた理由ではない。オリックスのなかで脈打つ好循環が、立ち上がりがやや不安定だった28歳を波に乗せた。 一死から森友哉に三塁線を破る二塁打を放たれた初回のピンチ。続く栗山巧の強烈なライナーをサードの宗佑磨が好捕すると、得点圏打率でリーグトップの呉念庭が放った、レフト前へ落ちそうな打球を今度は吉田正尚が滑り込みながらキャッチした。 「初回の宗にしても(吉田)正尚にしても、いつもいいプレーをしてくれるので本当に助かっています」 山崎を喜ばせた直後の2回には、4度先発した6月にすべて6回以上を投げ、かつ自責点を3点以内に抑えるクオリティースタートを達成し、その間の防御率が2.67と安定していた西武の先発右腕、今井達也から味方打線が大量4得点をもぎ取ってくれた。 先頭の6番・宗、7番・モヤが連続四球を選ぶ。続く伏見寅威は送りバントを2度失敗した末にヒッティングに切り替えるも、高いバウンドのピッチャーゴロに倒れる。ダブルプレーでチャンスが潰えたと誰もが観念した矢先に、今井からセカンドのベースカバーに入った源田壮亮への送球が大きくそれてセンターへと抜けていった。 自らのエラーでやらずもがなの先制点を献上してしまった今井は、もちろん心中穏やかではない。実際に試合後にはこんな言葉を残している。 「今日はボールがばらついて不安定でした。安定しないところを力任せでカバーしようとして空回りして、結果として勝負どころでボールが高目に浮いてしまいました」