「つらいと感じる気持ちそのものを大事に」#今つらいあなたへ 自分の心を守る4つの方法
体に心地よい刺激を与えてみる
いくら気持ちを吐き出しても、気持ちがすっきりしない。そういった時は、自分の体に心地よい刺激を与えるようにしてほしいです。というのも、例えば、人間はスキップしながら激怒することはできないんです。それを利用して、体に変化を与えることで感情をコントロールしてみましょう。 <心地よい刺激の例> ・お腹いっぱい好きなものを食べる ・マッサージを受ける ・サウナに行く ・たくさん眠る ・スポーツなどで汗を流す ・好きな音楽を聞く 「心地いいな」という感覚を大事にしていただければ、どんな刺激でも大丈夫ですので、ぜひ試してみてください。
つらい時は「逃げる」でもいい
勇者を目指して旅をするゲームがありますよね。そういった勇者を目指すような主人公であっても、<たたかう>というコマンド以外に<にげる>というコマンドがちゃんと準備されています。相手が強敵すぎる場合、状況が悪すぎる場合、つらすぎる場合は、誰でも堂々と<にげる>を選んでもいいんです。 逃げるという行為は、ネガティブなイメージを持たれがちです。でも実際、つらいことから逃げることは、自分の幸せや健康に近づくための行為でもあるので、あまり悪い風には考えないでほしいです。逃げることで自分の大切なものを守れるんだということを、しっかりと念頭において、前向きにとらえてみてください。自分は逃げられんだということを、ひとつの成功体験として、胸を張って言えるようになっていただきたいなと思います。 人生というのはゲームと似ていて、本体を壊さなければいくらでもリセットできますし、いくらでも再スタートすることができます。せいせいとした気持ちで逃げ出して、少しでも気持ちを楽にして、自分が生き続けることを選んでほしいです。
自分の心を守るための4つの方法
最後に、今回紹介した4つの方法をまとめてみます。 1)自分のつらい気持ちを否定しない 2)気持ちを外に吐き出してみる 3)体に心地よい刺激を与えてみる 4)つらい時は「逃げる」でもいい つい自己否定してしまう、感情を内に溜め込んでしまう、何もする気が起きないくらい無気力になってしまっている、何事にも真面目に取り組みすぎてしまう……。こういったケースに当てはまるような方はぜひ、今回の方法を試していただけると嬉しいです。まずは自分自身で、自分の心を守ってあげてください。 ========== 井上智介(いのうえ ともすけ) 精神科医、産業医。「ラフな人生をめざすこと」を発信しており、モットーは『おおざっぱに笑って健康に生きる』。精神科の怖そうなイメージを変えるため、ラフドクターとして金髪アフロ姿で活動中。産業医としては、人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員に、対話を重視した精神的なケアを行っている。精神科医としては、うつ病、発達障害、適応障害などの治療。さらには自殺に至る心理、トラウマケアにも力をいれている。