「桜を見る会」問題が再燃 安倍前首相の国会答弁を振り返る 坂東太郎のよく分かる時事用語
昨年問題化した「桜を見る会」をめぐり、読売新聞が11月23日朝刊1面で「安倍前首相秘書ら聴取 『桜』前夜祭 会費補填巡り 東京地検」と題するスクープを打ったのを発端にして疑惑が再燃してきました。安倍晋三前首相の国会答弁とは食い違うような内容が報じられています。そこで、安倍氏の首相時代の「桜を見る会」に関する主な答弁を振り返ってみたいと思います。 【写真】歴代最長「安倍政権」7年8か月のレガシーは何か?
過去の国会答弁と“矛盾”する可能性がある4点
国会答弁は「国権の最高機関」たる国会が行政府を質(ただ)す場で、そこでの首相答弁は記者会見など他での発言とは段違いの重みを持ちます。現時点で「もし今の報道内容がおおむね正しければ矛盾する」ものは大きく4点です。以下の「」内の発言は、いずれも安倍首相(当時)による国会答弁です。
(1)ホテルとの契約における安倍事務所の関与の有無
「夕食会の費用については、ホテル側との合意に基づき、夕食会場入り口の受付において安倍事務所の職員が一人5000円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受付終了後に集金したすべての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払がなされたものと承知しております」(2019年11月20日の参議院本会議) →(答弁での主張)安倍事務所は集金しただけ。現金をそのままホテルに渡した。ホテル名義の領収書は参加者にその場で手渡した。 「(夕食会は)主催は後援会でございますが、契約の主体は、いわばそれぞれの個人が支払いを行っている。(中略)。例えば、何十人かである会合を開くということについて、例えばレストランなり旅館なりで行う場合に、それぞれ参加者が個々で支払うのとこれは同じことでございまして、そのアレンジの中において(中略)ホテル側から5000円だということが、ホテル側からそういう提案があったということでございます」(2020年1月31日衆議院予算委員会) →(答弁での主張)主催者は安倍後援会だが契約は(約800人の)参加者が個別に結んだ。1人5000円はホテル側からの提案。