「東京五輪最大のサプライズ」と世界が驚嘆!“ボルト後継”争う男子100m金メダルは“無印”伊のヤコブス…勢力図が混沌化
米ESPNも、スーパースター不在のレースで、新しいスプリンターが誕生したことを伝えた。 「今年の世界最速の男であるトレイボン・ブロメルもいない。ジャマイカのランナーもいない。決勝に残った8人は、ほとんど無名の2人のアメリカ人、中国、南アフリカ、ナイジェリア、イギリス、そして五輪史上初となるイタリアの選手たちだった。ボルトが13年間に渡ってこの陸上競技、そして世界の想像力を支配してきた時間の後に、予想外のアスリートたちが颯爽と現れ、信じられないような新しい物語を描き出した」とヤコブスの快挙を伝えた。 同誌が指摘している通り、今大会は9秒76の自己ベストを持ち、2019年の世界選手権で優勝したクリスチャン・コールマン(25、米国)がドーピング検査を巡る資格停止処分で出場できず、9秒77の自己ベストを持ち全米陸上選手権を制し金メダル争いの“大本命”とされていたトレイボン・ブロメル(26、米国)も準決勝で10秒00のタイムで敗退していた。 米ニューズウィークは、この決勝進出を逃したブロメルの落胆について取り上げている。 「ブロメルは、6月に9秒77の自己ベスト記録を出していたが、決勝に進出することができなかった。26歳のブロメルは、2016年のリオ五輪決勝に進出して以来、2回、アキレス腱の手術を受け、複数の怪我による危機に直面していた」と、5年越しのカムバックがハッピーエンドとならなかったことを伝えている。 中国メディアが注目したのは、準決勝で9秒83のアジア新記録を出した蘇炳添の快挙だ。決勝では6位に終わったが、9秒98とハイレベルなレースの中で9秒台を叩き出している。中国国営テレビの国際放送CGTNのホームページでは「中国のスプリンターとして初めて決勝に進出した」ことを伝え、サウス・チャイナ・モーニング・ポストも「惜しくもメダルを逃したが、歴史に名を残す」と、その快挙を称えた。 今後“単距離王国”の米国、そしてボルトのいたジャマイカがどう巻き返してくるのか。イタリアのヤコブスの金メダルで“世界最速”を争う勢力図は大きく塗り替えられ混沌としてきた。