五輪選手へのSNS誹謗中傷問題が国際化…体操金メダル橋本への“攻撃”をCNNが報道し英国は被害選手のサポートシステム構築に動く
東京五輪出場選手のSNSを通じての誹謗中傷問題は日本だけに留まらず国際問題に発展しつつある。海外メディアも、この問題に関心を寄せ、多くの被害実態を伝えている。米CNNは7月30日付の記事で体操の個人総合で金メダルに輝いた橋本大輝(19、順大)が一部の中国人からSNSで“攻撃”を受けている被害について「優勝した日本の五輪選手の一部が、対戦相手の中国の敗北に伴い、中国のナショナリストからネット上で罵詈雑言の嵐を浴びせられている」と取り上げた。 橋本は不可解な減点をつり輪の演技で受けていたにもかかわらず着地が乱れた跳馬の点数について「審判員が開催国に便宜を図り高く評価したのではないか」という“言いがかり”とも取れる批判が殺到しているという。 「怒りは中国のSNSから始まり、中国のナショナリストはグレート・ファイア・ウォールをかいくぐって橋本選手のインスタグラムのアカウントに押し寄せ、怒りのコメントを殺到させたり、侮辱的な投稿をしたりした」とレポートした。 ただ全ての中国のユーザーが橋本を侮辱したわけではないことも追記している。 「他の中国のユーザーは、ネット上の罵詈雑言を批判し、それをやめるように呼び掛けたが、彼らもまた攻撃を受けた」という。 また卓球の混合ダブルスの決勝で中国ペアを破って金メダルを獲得した伊藤美誠(20、スターツ)が“攻撃対象”になっていることも報告されている。 「(伊藤は)中国版ツイッターのウェイボーにアカウントを持っているが、憎悪のコメントが殺到したためフィードを閉鎖しなければならなかった。(伊藤は)インスタグラムでも攻撃を受けたが、ファンが組織的にサポートしヘイトメッセージをかき消した」という。 また伊藤とペアを組んだ水谷隼(32、木下グループ)にも誹謗中傷のメッセージが殺到したことも紹介された。 またCNNでは取りあげられなかったが、サーフィンで銀メダルを獲得した五十嵐カノアも、準決勝で破った相手がブラジル人選手だったため、ブラジル人からの誹謗中傷の投稿があることをSNS上で報告し、ポルトガル語で「私は常に他の選手に最大限の敬意を払っていますが、自分がコントロールできないことについて悪口を言いたがる人には我慢できません。私は最善を尽くしました、それだけです」と訴えている。 誹謗中傷のターゲットにされているのは日本人選手だけではない。