なぜ横浜FCの53歳”キング”カズ、42歳中村俊輔、39歳松井大輔がJ1舞台で揃い踏みしたのか?
キャプテンのゴールキーパー南雄太はリザーブに名を連ねている。副キャプテンのDF伊野波雅彦とFW齋藤功佑はベンチに入っていない。それでも誰かが横浜FCのゲームキャプテンを担い、首位を独走する川崎フロンターレのホーム、等々力陸上競技場のピッチに立たなければいけない。 23日に行われた明治安田生命J1リーグ第18節。下平隆宏監督、そして選手たちの思いは先発メンバーが告げられた試合前のミーティングの段階で決まっていた。左腕に赤いキャプテンマークを巻き、先頭でピッチへ入場し、フロンターレのゲームキャプテン、MF守田英正とのコイントスに臨んだのはキックオフと同時にJ1最年長出場記録を更新する、53歳6か月28日のFW三浦知良だった。 「今日は(佐藤)謙介も田代(真一)も先発していたので、普通ならばキャプテンは彼らのどちらかだったと思ったんですけど、みんなが僕にキャプテンマークを、と言ってくれた。なので、みんなの気持ちをすべて腕章に込めて、責任をもったプレーを、と思ってグラウンドに立ちました」 J2戦線で2位に食い込み、13年ぶりのJ1昇格を勝ち取った昨シーズンの副キャプテン、31歳の佐藤と32歳の田代を含めた全員の思いが詰まったキャプテンマークの価値を、追い上げながらもフロンターレに2-3で屈した試合後の第一声でカズは明かし、そして感謝の思いを捧げている。 「横浜FCというクラブ、監督を含めたスタッフ、選手のみんなに感謝したいですね。みんなの力や助けがあって、自分は今日こうしてJ1の舞台に先発として立てていると思っているので」 待ち焦がれてきた今シーズンのリーグ戦初出場。横浜FCの最古参選手になったカズは、チームが過去に唯一J1の舞台で戦った13年前の最終節で、自身のアシストで勝利した2007年12月1日の浦和レッズ戦以来、実に4680日ぶりに国内最高峰の戦いに臨んだ。