非情な”戦力外通告”…異色のロングスロー”使い手”原山海里がトライアウトに挑戦する理由とは?
今シーズンに所属したJクラブから契約満了を通達された選手らを対象とした、日本プロサッカー選手会主催のトライアウトが9日、千葉県内でスタートした。 初日は午前、午後の部に平均年齢26.4歳の計54人が参加。JリーグやJFL、地域リーグの各クラブの強化スタッフが視察するなかで、J2のジェフユナイテッド千葉を契約満了となった元日本代表DF安田理大(33)、今夏までベトナムのサイゴンFCに所属したFW高崎寛之(35)らが、7対7のミニゲームと25分ハーフの実戦に臨んだ。 青森山田高時代に全国高校サッカー選手権でロングスロー旋風を巻き起こし、東京学芸大を経てJリーガーになったDF原山海里(24)も、J3のいわてグルージャ盛岡を退団した昨年に続いて参加。J3のヴァンラーレ八戸を再び1年で契約満了になった悔しさを、サッカー人生を未来へ紡いでいくための糧に変えて必死にアピールした。
2年連続のトライアウト挑戦
念願のJリーガーになったのもつかの間、岩手のルーキーだった昨年に続いて、トライアウトを経て加入した八戸からも原山は新たに契約を更新しないと通達された。 公式戦出場がゼロだった昨シーズンから、確かな一歩を刻み込んできた。明治安田生命J3リーグで6試合に出場し、116分間にわたってプレーした。天皇杯では3試合に出場し、猿田興業(秋田県代表)との1回戦ではゴールも決めた。 それでもまたも非情な現実を突きつけられ、再びトライアウトへの参加を決断した。すべてのメニューを終えた後に臨んだオンライン形式の囲み取材で、原山は「数少ないチャンスをつかみ切れなかった」と八戸での1年間を振り返った。 「去年の悔しさを八戸で爆発させよう、という思いで臨んだ1年でした。結果的には去年よりも試合に絡む時間が増え、去年よりも成長したと思える部分もありますけど」 今シーズン限りでの退団が、八戸からリリースされたのが11月中旬。原山はすぐに青森山田高時代の恩師、黒田剛監督へ連絡を入れている。