F1角田裕毅が開幕前に語った2年目への自信と新レギュレーション対応「日本GP(10月)で完成させた自分の走りを披露」
ただ一人の日本人F1ドライバーとして2年目のシーズンを迎えるアルファタウリの角田裕毅(21)が9日、オンラインでメディアセッションを行い、18日に開幕のバーレーンGPを前に「表彰台とできるだけ多くのポイントを獲得」「ガスリーを倒す」「夢だった日本GPで完成させた自分の走りを披露」などの目標と抱負を語った。オフにフィジカルを強化。クラッシュを連発させた昨年のミスを糧に自信と勝利ルーティンを取り戻した状態で開幕を迎えることができるという。
オフにフィジカルを「30、40%アップ」
最終テストと開幕に備えて滞在しているバーレーンからレッドブルが設定したオンラインでのメディアセッションに参加した角田は終始リラックスした様子だった。オフには1年ぶりに帰国。新型コロナの隔離措置があったせいで1週間程度の滞在しかできなかったが、海外では口にできなかった日本の味を求めて「極太・蟹」のしゃぶしゃぶを堪能。「今でも鮮明に味を覚えている」と思い出して表情を緩めた。 オフのほとんどの時間をトレーニングに費やした。 「トレーニングは嫌いだが、フィジカルが課題で必要だと感じた。特にGのかかる首に疲れを感じた。それを克服するために」 角田のイタリアの自宅に専属トレーナーが2週間泊まりこみ、連日、フィジカルトレーニングを徹底した。レッドブルの専用施設でデータを取って、昨年のものと比較したところ「30、40%ぐらい大きくレベルアップできた」という。 ルーキーイヤーには苦悩を味わった。開幕のバーレーンGPこそ9位に入賞したが、2戦目でクラッシュ、3戦目も入賞できず、4戦目はマシントラブルでリタイヤ。5戦目もフリー走行でクラッシュし、6戦目で入賞するも、7戦目に予選で再びクラッシュした。 「自分のルーティンを見失っていた」 シーズン途中にイギリスからイタリアに住まいを移してからチームが用意してくれたトレーナーとの会話で「どうすればクラッシュしないかばかりを考えているからペースが遅くなり、体も硬くなり、思ったようにマシンをコントロールできない」ということに気づいた。そこでセッション前に頭の中で理想のラップですべてのコーナーをクリアしていくシミュレーションを行うようになった。それは、勝っていたF2時代に行っていたルーティンだった。 「自信も失っていた。過信は危険だが、自信は必要」 最終戦のアブダビGPでは、表彰台にあと一歩と迫る4位でフィニッシュ。苦悩を経て得た手応えと経験を胸に2シーズン目を迎えることになった。