F1角田裕毅が開幕前に語った2年目への自信と新レギュレーション対応「日本GP(10月)で完成させた自分の走りを披露」
今季のF1はマシンのレギュレーションが大きく変わる。ひとつは2021年までのステップドボトム方式に代わって、グラウンドエフェクトによってダウンフォースを得る空力コンセプトが導入されたこと。後続車が空気抵抗を受けにくくなり白熱した接近戦が可能となりオーバーテイクの機会が増えると言われる。バルセロナで新しいマシンのテストを行った角田は、「オーバーテイクがしやすくなり、エキサイティングで見ごたえのあるレースとなる。自分も楽しいし、去年よりは後ろにつきやすい感触を得た」と歓迎した。 ただ、このレギュレーション変更は早くも弊害を生んだ。マシンが上下動する「ポーポイズ現象」と呼ばれる現象が起きるのだ。 アルファタウリでは、その現象を「バウンシング」と呼んでいるそうだが、角田は「車全体が縦に揺れている感じ。視界も見えにくく、コーナーが見えづらくなるくらい揺れることもある。今まで感じたことのない現象でレースでコンスタントに続くと集中して乗れない。解消したいリミテーションではある」と問題視した。 もうひとつの変更点はタイヤの大きさ。13インチホイールが18インチホイールとなりマシン全体の空力に与える影響が大きくなる。角田は、この点についても「タイヤの変化が、車のバランス、挙動の変化に影響している。高速コーナーでコントロールしやすくなったり、トラクションがよくなったりもあるが、ホイールが重たくなるのでピットストップが少し遅くなり、メカニックへの影響が出る。いろんなものにネガティブ(な部分)があるかも。ブレーキのパフォーマンスにも影響が出るかもしれないが、ブレーキの感触は今のところは変わらない」と言う。 角田は、この2つのレギュレーションの変更を総括して「全チームがまったく新しくなる。去年は、2、3年開発しきった車で差も小さかった。このチームが抜けて速いとかあるかもしれないが、全体的に楽しいシーズンになる」と期待を寄せた。全チームの条件が同じだけにアルファタウリを含めどこにもチャンスがあるという分析だ。 では、角田の今季の目標はどうなのか。 「自分がやるべきこと、ターゲットをクリアにし、プロセスとリズムを大事に1戦、1戦リセットしながら大事に戦いたい。自分らしく走って、表彰台はもちろん、ポイントをできるだけ多く取ることが目標。そしてチームメイトのガスリーを倒すことが目標です」 今季の角田にはターゲットとするレースがある。去年は新型コロナの影響で中止になった日本GPが第18戦として10月7日から鈴鹿で行われる予定なのだ。 「日本のファンの前をF1車で走るのが夢だった。誰もができる経験じゃない。1周、1周を噛み締めて鈴鹿を走りたい。(10月の)日本GPまでに、できるだけ多くのポイントを取って、期待してもらえるように自分の走りを完成させて臨みたい。去年と違った自分を見せられるように」 その日本GPで凱旋した際に何を食べたいか?と聞かれると「蟹は満足したのでラーメンを食べたい」とニンマリ。 「味噌ラーメン、とんこつ、神奈川出身なので横浜ラーメン、魚介系…なんでもいいんだけど、日本へ帰って最初に見つけたラーメン店へ行きます」だそう。角田は10日からの最終テストを経て「いいスタートを切りたいし、昨年よりレベルアップした自分を見せたい」という18日からのバーレーンGPでの開幕戦に挑む。 (文責・論スポ/スポーツタイムズ通信社)